<571>「無秘密」

 全く別ものの場面、これが、1日やそこら、いや、もっと言えば、1時間やそこらであったことを思うと、ひとしきり駆けてみたくなる。いたく気にいっているものとこれから出会う場合、現実に振れたり、混乱に振れたりしたらいいのだろう。なされれば話せまた時間が気まぐれに、やや適当にあてられていても、それにはそれの歩行があるというつもりで、話していけ。

 何かが内緒にされたとは思わない、という態度が批難される。それなら、全部を話したらいいのじゃないか。

「ほら、何にも内緒にされていることはなかったんだ」

すると、この人はこれをどこから聞いたのだろう。否、この人が聞かなければならないことは何も、本当に何もなかったので、そのまま聞かずにいたあれもこれもが範囲を破ってきたのだ。人に知らされるはずのなかったことで一体となり、頻りに休んでいる・・・。