<562>「まだ覚めて間もない」

髭がひとつゆらゆらと揺れ動いてまた考える事が掻き回され移されてゆく。それからの細さ太さ、関係なく画面の中心にすうっと伸びてきたかと思えば何かを話す。取り合わないだろうことを予測してひとり言の域を出ないよう慎重に慎重に。あれ、これからの運動をまた誰かに語らせないといけなかったのか。ともあれ、勇敢さはここからの欠片、いまひとつパラ、パラ、パラとまた訪ねてくださいお願いをしておきます。これもまた聞いていたのか否か私がそれを確かめようとすると全体がやや大ざっぱになっていく。俺が考えていたことはこんなことか。周りはだんだんに景色を放棄してゆく誰に渡すでもなく放棄してゆく。

「ちょっと、ここで少し眠ったりしたらどうでしょう」

ただどうやら、平穏な天気ほどの余裕はなく、開いて、開いて開いて目が明きすぎていて、逆にそれほど目立っていない場所がいつもの集合場所となる。もう訪ねることもないのかそれはただの空間だからあなたには関係がないからか。現れたものはどこからどこまでか分からなかったがやけに大きく見えた。安心すればいいかこの大きさにはどこかよそよそしさか。