<2854>「現実の眼をつかみなおす場所」

 さわぎのなかのからだへはいって、

 わたしを招ぼう、、

 わたしからすぐにつながってくるとも、

 なにとも言えず、、

 わたしはからだになにをつなごう、、

 ああ、

 あたりまえの水の流れから、

 日時が生まれて、

 生活が起こって、、

 あたしはまだ見たこともない光線の、

 その先へ走っていくのは、

 希望か、、

 からだが残しただけのことなのか、、

 私から伝って、、

 ものがそっとこわれただけなのか、

 

 ないし、

 内情案内、、

 まだでてる、

 まだ水が滲んでる、まだ出てる、、

 まだ膨れてる、、

 まだかさなってる、、

 時間に、時間に、、

 あなたは、

 招ばれもしない、、

 まったくまっすぐ、

 意識もないまま集まって、、

 この、

 いやに湿った石や砂の集まりの、

 空気を嗅ぐと、、

 あたしはそこで現実の眼に還る、、

 うん、、

 ここの匂いはだれの生まれにかかわる、、

 だれの成長に関与する、、

 あなたの内側、、

 あなたの生の内側に、、

 あたしはそっくり潜り、、

 次々にはじまっていこうとする、、

 

 なあ、

 ここが名も知らぬはてであって、、

 お前はここに来ると不思議に足どりが軽くなる、、

 骨を、骨を、

 骨を意識し、、

 あたしはこの物事のそばで しばらく立っている、、

 あたしは生活を始める、、

 光をもらう、、

 光のなかに立っていて、、

 また呼吸をはじめる、、

 呼吸をもらった風景が、、

 二重、三重になっていくのを、、

 ゆっくりと見ていた、、

 見ているものたちは、

 ゆっくり溶けはじめている、、

 溶けてはじめて、、

 ほかへ入りはじめている・・・

<2853>「世界と室を行き来する」

 お前が知っている身体には、

 この呼吸が入っているのか、、

 さあ、

 それはどうだか、分からない、、

 ただお前の果てに、、

 静かに埋もれていく、

 ひとつの言葉があるらしい、、

 お前は浮かれている訳ではない、

 真剣な訳でもない、、

 ただここに集まる姿なのだ、、

 お前がどこから帰ろうと、、

 このヒは、

 お前を待ち受けている、、

 

 あなたは招待されて、

 私の道の中、

 にゆっくり入ってくると思う、、

 ことばが並び、、

 そのひとつひとつが離れて、、

 私はただの殻になる、

 あ、

 すばやく、、

 熱が浮かんでいる、、

 私は、

 ひとつの姿になり、、

 ここでほうけ、、

 そのまま遊び、

 そのままくだる、、

 世界から、

 室に帰り、、

 私は空の容れ物になる、、

 声もない、、

 風景もない、

 からだもない、、

 あたしはそのカラの室の状態で、

 再び世界へ戻り、

 人を困惑させてしまうことがある、、

 しかし違う領域だ、、

 それでだんだんと分かってきた、、

 あたしがひとりの空間を大事に思うのも、

 そうでないと、室がどこにも出来ないからなんだ、

 全てが世界になる、、

 その場所で私は踊り、

 少しして帰る、、

 

 少ししてまた合わさる、、

 またからだがはね出す、、

 水を垂らしてもらい、

 膨らむまでは、

 そんなことも想定出来ないほどだった、、

 私は歌い、

 酒を飲み、、

 身体を膨らませた、、

 しずかな声がきこえていた、、

 私はそこに入口を見出す、、

 長い長い道が続く・・・

<2852>「失敗とみとめることから」

 私は、

 ひとつの大きな失敗を、

 失敗と認められず、

 いつも、常に、

 その影響の下にあったことが分かるまで、

 十四年かかりました、

 私は、

 物分かりの良いようなフリをして、

 人を、置き去って、

 身軽になったつもりで、

 実際は、1人、

 いや、おそらくは2人を、

 損なうようなことをしていたことが、

 これは、

 今になって分かったのではありません、

 ずっと分かっていたのですが、、

 そうではないと言い聞かせ続けてきました、、

 人を損なうようなことをしていた、、

 

 自分を有利な場所に置くために、

 自分を下げるのではなく、

 自分がどうしようもなく、みっともないということを見留めて、

 そこから形にかかわらず、、

 どこでもただ飛び込んで、

 愚かさや、

 間違いを含んで進んでいく、

 そういう地道な道を深化させる人間になるために、

 難しい仕事だとは承知で、

 あたしは自分を下げたいと思います、、

 まだ若かったから、

 まだ子どもだったから、

 では取り返しのつかないことがあるのだということに、

 気がつくまでに時間がかかりました、、

 

 そういうことに思いいたるのはこわいことですが、

 気がつかないでこわくないよりは、いくらかいいです、

 いいです、というのは、

 生きていて、

 その方が気持ちに対してすっとかかわれるということを示します、、

 自分の気持ちに対して、

 必要のない、迂回路を取らなくていい、ということです、、

 当たり前に生きていることが、

 あまりにもこわすぎる、

 そういった瞬間を握り締めて、

 私は進めるだけ、

 一日が無事に訪れるのなら、訪れただけ、

 進むのだと思います、、

 ねえ、

 私は、

 ちょっと前まで、

 大きな失敗は何ひとつないと、思っていたんですよ、

 こわいでしょう、、

 失敗を、

 きちんと失敗と認めることからしか、

 先への道はひらかれないんですね、

 この物事の重みが、

 私を地面へと立たせます、、

<2851>「まちがえざるを得なかったふたつの生の」

 あたしがすっかり沈黙してしまってから、

 ここに漏れることは、すべて、、

 また手の中にしまえる、、

 ただの、

 ひとりの光景だと、

 私に知らされるものの、

 その底に、

 ゆっくりとのびていくのを、、

 まだ長い、

 長い長い場所で、

 ゆっくりと見ています、、

 

 これから先もずっと生きると想定して、

 やりたいことと、

 今死ぬとして、やっておきたいこと、、

 ふたつを数えると、、

 ずっと生きると想定して、

 やりたいことの方が、遥かに多いのでした、

 それは幸せなことかもしれません、

 ひとを愛するのは課題なのかもしれません、

 ひとを愛するのは、何故課題なのでしょうか、、

 あたしは、

 過去のことなどもういい、

 どうでもいいという気持ちと、

 過去のこと以外、

 私に関係のある物事はないという気持ちと、

 両方をします、、

 違和感から、

 抗議をしているのは分かります、、

 まちがえざるを得なかった、ふたつの生を、

 あたしは、

 どう掴み直していくか、

 演技として、

 外界に出会っていた私たちの家族を、

 どう捉え直していくか、、

 

 演技をしていると、

 本当から遠く離れて、

 楽しさを、

 真剣さから、分離してしまっていました、、

 しかし、、

 人が次々に死にます、、

 もう一度会うはずだった人、

 これから初めて会うはずだった人に、

 会えなくなり、、

 いずれ私もそうなるであろうことが、明白だと、、

 楽しさと、

 真剣さとは、

 ひとつところに戻ってきます、、

 私は生を、

 肯定したり否定したりしない、

 間違えざるを得なかった人を、

 遠くから、

 関係のないように眺めるのではなく、、

 同じ自分も、、

 そういう愚かさの中心に戻ってきて、、

 今日死ぬのかもしれないと思い、

 楽しく真剣に行くだけだろうと思います・・・

<2850>「私のひとつの通路を、作っていく無数のもの」

 いまわのそのしずかな色に、

 あたしも染まる、、

 あたしは、同じ地面にいて、、

 ここの、匂い、、

 ちょっと日が多く、

 そのことに安心しているのが分かる、、

 あたしはくらみ、、

 水をのむ手をさがす、、

 さがしているうち、

 いくらかは、記憶のなかに、とけていくまま、、

 あたしはどこと一致する、

 

 からだのはてに、、

 あなたその印をと、あつめてきて、、

 わたしは振り返る、、

 すべてのものに、

 あたしの労働の痕跡が、見留められる、、

 少しずつ作ってきたものだけだ、

 あたしを見ているのは、、

 あたしただ光に入るだけ、

 順に身体を送り、

 その時刻のなかで生まれる、、

 ああ、あたらしい、、

 あたらしい声が、

 その奥の方ではじまるよ、、

 あたしは変形する、、

 うん、

 あたりまえに砂など、、

 ここへまじえていく、、

 だれかだれか、、

 それは、

 わたしにとっての無限の通路を、

 ある時期代表していたものだ、

 具体物は、

 そうした永遠のイメージに、 

 ある期間だけ、かかわる、、

 そうして、

 永遠のイメージの形成にかかわったものが、

 もうそこに戻らなくなったあとも、

 たびたび私のなかに出てくる、、

 

 わたしは成分を振りながら、

 通路を経過する、

 うん、

 あの道、この道も、、

 全て内時へ運ばれてくれる、、

 わたしはそうしてまっすぐ見る、、

 からだはふしぎな長さ、、

 からだはふしぎな沈黙、

 あれあたしこの回転をつくり、、

 回転のなかに住み、

 という方法、、

 それは、

 現在の私のきまぐれをこえて、

 どこまでも下へ行こうとする姿勢、、

 どこまでも、ものをこぼして・・・

<2849>「ねえ、生まれて、戻って」

 ねえない、ないの、

 ないぶの、

 内臓の、その、中心に、

 あなたも、また、

 からだごと戻ってほしいの、、

 私知らなくて、、

 こんなに水が豊富にあって、

 全部流れるのとか、しらなくて、、

 もうとっても分かったし、

 だから、

 戻ってほしいの、、

 戻ってまたからだになって、、

 

 あたしはめざめて、

 すっかり落ちたものの量を、確かめる、、

 そのことに愕然とするわけです、、

 また息を吸うところからはじめましょう、

 ね、

 つぎつぎつぎつぎ、

 下の方で、湧いてくるの、なに、、

 あたしは手をし、、

 一番表面の、

 なかを探るようにして、触れてみる、、

 あたしの手では音は取れないけれども、、

 うん、、

 存在が、

 これほどまでにつめられてるのが分かるよ、、

 はじまって、

 あなたまたはじまって、って、、

 からだが言うには、、

 あたしまた巡りのはじめ、

 そっくり漏れたんだけど、

 そっくりあらわれて、、

 またこのおとのはじめにきて、、

 あたしは入ったものを、

 つぎつぎに畳む、、

 からだが、盛り上がってくる、、

 あなたが全身からのたよりを、集めて、

 その僅かだけ声にする、、

 よく確かめて、、

 あなたはその先にもいる、、

 ゆっくりと見ているのが、、

 この肌でも分かる、、

 

 うん、

 わたしは見られていることを、

 もう少し上手く取り込んだらしい、、

 あたしは振動の形、

 振動の素振り、、

 もう、

 どちらが主であるか、

 少しずつ分からなくなって、きているね、、

 あなたが前面でもないけれど、、

 あたしは要素を掬っているのでもない、、

 からだになってきているだけ、

 きこえる・・・

<2848>「あなたは爆発項、生と死の両輪」

 からだをどこにやったらいいか分からず、

 いたずらに放り出していた、

 人間はどこかに消えてしまった、、

 形のなかで盛り上がる、、

 いつまでも、刻まれている、

 そのひとつの印のなかに、、

 あなたは現れてくる、

 うん、、

 からだのなかに集まってくる、、

 私は二重形になり、、

 ひとびとの、粒を、、

 さっと集めて、、

 そのなかで、

 その振動の先へ、

 届くようにしようと、、

 

 あれこの呼吸の形、、

 あなたが諸々へ向けて、

 構えていること、、

 こちらこちら、

 どこから走ってくるのか、

 私は知らない、

 私はこの呼吸の意味を知らない、

 いくつもある繊維、

 わたしは中間項、

 愛したりしない、、

 触発されてくるだけ、、

 あなたは爆発項、、

 もっとなかを覗き、

 その内部のしずまりかえり、、

 どこよどこよ、

 どこよ、

 と歩いてくる、、

 この道の先、、

 あたしは生と死の両輪、、

 生きている幅、、

 死なないかぎり、

 どこまでも遠くへ行こうと思っている、、

 もうすぐ死ぬのだとしたら、

 やらなければならないことが、

 いくつかあると確認したりする、、

 

 お前という存在も、

 ひとつの腫れとして、

 この時空にある、、

 なあだから少しも大きくしない、、

 そのままで構えている、、

 あたしには確認しなければならないこと、

 実行しなければならないことがいくつかある、

 それを、

 常に小さな青い火で先へ送ることだ、、

 何を感覚しているのか、

 何に歓喜しているのか、わからないほど、

 小さい火を進めるべきで、、

 あとに残る灰カスも、、

 すべて呼吸のなかにもどるべきで・・・