<2686>「あなたの少年は」

 わたしはいくつかのその、

 弱く、

 こわれてしまいそうになるものと、

 全くの無縁ではない、、

 しかし、

 私は層が増えたので、、

 そのそれぞれを、、

 呼吸が、真っすぐに通過していくのを、、

 当たり前に感じ、、

 この場所で、落ち着いていた、、

 どうにか、、

 どうにかと願うその日々が、

 私の肉になり始めた、、

 

 私は日を見ている、、

 どこにもない、無の線を濃くしたら、、

 ここが、

 二重に見えること、

 ここが、、

 ひとつの夢の景色にしか見えないことは、

 ごく当たり前のことだったのです、、

 そんなら私は、

 なにか、、

 全てが当たり前に、この場所で育つことを、、

 しずかに受け容れます、、

 あたしは本当に静かになった、、

 今日も明日も、

 生きていられるかどうか、、また、

 そういった疑問が、

 当たり前なのに大袈裟に響いて仕方のない場所で、

 生きています、、

 なにから水を寄越し、、

 あなたはいるのだろう、、

 そこで、

 風の抜けていく原で、、

 手の向かうべきところもない場所で、

 じっと立っている、

 あなたの少年は、

 何を内に、たくわえてゆくのだろう、、

 私だって、こたえは分からない、、

 私だって、

 次々生まれている、、

 

 あたしは悲劇的なところが少しもないんだろうか、、

 もっと若いときに、

 もっと体力があって、

 それで、

 くたびれて立ち止まっている瞬間、、

 あれも、

 私の手の行方というのを、

 見定めがたかったことの、

 疲れだといえるだろうか、、

 過剰に眠っていたことや、

 苦しいと感じつつなおも食っていたこと、、

 それは私だろう、

 それは誰だろう・・・

<2685>「あたしは生むから、水を含んで」

 僅かな隙間に手を置く、、

 あなたここのところに、

 液を、液をくださいと、、

 そう、しずかに言っているのだが、分かるか、、

 ああ、きこえたな、、

 ここにはそうして、、

 いくつもの水が集まった、、

 あなた、

 なんとも遠くから、、

 私は光線を受けた、、

 うん、

 どこへもよろめいて、、

 どこへも確かめることが可能で、、

 はらわれて、

 なかに育って、、

 わたしは順にきいている、、

 わたしは順に育っていくのを、

 このはたできいている、、

 

 ねえ、

 まだ眠りのなかで、、

 あたしのなかに残った泡のこと、、

 少し吸って、、

 少し含んでみてはくれない、、

 どうだろう、、

 そんな微量なものでも、

 たしかにきこえ、

 育つものであろうかな、、

 わたしのそのふくらんだ、

 呼吸らしくあるものが、

 そのままここに、見えるものかな、、

 あなたはそちらの方から手を寄越す、、

 うん、

 そんなら何度も、

 しれたものだなという、、

 いくらかの言葉と、

 わたしはふれます、、

 わたしはしっていることの奥がまたあります、

 それにふれます、

 まったく手をしています、、

 どこから用意した回転か、

 そんなことは分からず、、

 ただこの線の中、

 あたしは含んだ水を、、

 爪のひとつひとつにまで届けます、

 そのとき光景がひろがる、、

 

 あたしは眠って、

 すっかりかわかして、、

 どこかしらない場所へ向けてめざめるとき、、

 わたしは生む、、

 わたしはその重みとともに来て、、

 この暗がりのなかで生む、

 ねえ、

 あなたは来て、、

 しずかに水を含んで、そこへ来て・・・

<2684>「骨を下ろす場所、ひとつの界」

 しらずにあなたに語られる、

 その細い不気味な糸の話を、

 私は水が、ひっかかるように覚え、きいた、、

 これはどこから私をほどき、

 記憶を投げ、、

 ここに来たの、

 ねえ、これは、どこから来たの、、

 私は、その信号の、

 いちいちを眺めていた、、

 どこかから流れていく、

 その時間を追った、、

 まだ、物質、、

 私はどこか、

 私は愛している、、

 何を、、

 嘘の意識、

 私は眠れている、、

 

 すくなくも、そこに用意された身体だ、、

 私には、そうなのだ、、

 それぞれが絡む、

 もののなかに絡む、、

 もののなかを遠い、

 その分かれた速度で、

 あたしは遠い、、

 あたしはここに骨を下ろすだけ、、

 そこここがぶつかり、

 かわいたかろやかな、ねを立てながら、

 私は、骨を下ろすだけ、、

 そのひとつひとつを見てと、

 あなたがつぶやく、、

 私はなかへ、

 まっすぐに入ってゆくものとして、

 ここに存在しました、、

 ここにいくつもの流れが、、

 あつまって、、

 即座に混ざりました、、

 

 ねえ、この、

 いくつもの匂い、、

 あたしが入っている、

 ひとつの界、、

 ここはどんな液もゆっくりと垂れる、、

 ここはどんな風景もゆっくりと巡る、

 ねえ、こちら、、

 からだのはてまで届かせてと、、

 私に告げるものが、、

 いま、界面に手を、、

 ひとつの手をして、、

 私はぶるぶる振るえながら見る、、

 うん、

 確かめようのある、、

 ひとつの時刻なだけに、

 私は気が巡る、、

 からだばかりがあるところ、、

 私は吹く・・・

<2683>「さて、どこへだろう」

 その身 その振るえに、

 今、気がついて、、

 私はどこまでも動こうとする、

 この物体を、

 少し遠くから、眺めている、、

 私に、この時間、声はない、、

 いくらもさわぎはてたあと、

 その声は、、

 私はここにもふたつ、

 確認すべき声の世界がふたつあると、感じる、、

 あなたはどこへつながる、、

 私は地面を見つめる、、

 ずっと、流れていく人のように、

 私のように、、

 姿形が、

 砂のように、

 崩れてゆくように、、

 

 あたしはその短い呼吸のなかに、

 人々を、

 まるで簡単なことのようにして、誘う、、

 人々は歌う、、

 私は要素がない、、

 しゃりしゃりと言う、、

 私の血の音、

 血の音はない、、

 ただ、

 何事も起きてはいないかのような、

 皮膚が、

 全体を覆うだけ、、

 こっちへごらん、、

 さあ、

 私は誘うだけ、、

 流れたいだけ流れて、、

 まっすぐに誘うだけ、、

 あなたは過剰なものを持っている、、

 それを綺麗に並べる、、

 でっぱるところは日常、

 隠している、、

 あなたから何故そんな声がするの、、

 さて、何故だろう、、

 あなたはそうして果てまでいくつもりなの、

 さて、どこまでだろう、、

 

 あなたはしかし、

 綺麗に並んでいるものではないですよ、、

 ものすごく過剰ですよ、

 なに、

 そんなことは知っている、、

 知っているかどうか、

 本当は分からないが、、

 その過剰は変えられない、、

 ならば、

 少しのチャームだ、、

 ね、、

 あなたが生きていくため・・・

<2682>「内界と亡霊」

 あたしはそう、底にあるの、、

 つたない通路から、

 歩を、

 ひとつひとつ進めて、

 ねえ、

 あたためられてきたものがあるの、、

 ね、

 ここの時刻は静かでしょう、、

 あたしのからだのそば、

 うん、

 次から次から漏る、、

 私は、

 その水の流れを前に、ぼうっとした、、

 うん、、

 

 これを含んでね、、

 どこかさきの方へ通るけど、

 きっと、

 きっと含んでね、、

 私は、

 これら声がはらへ着くのを知る、、

 うん、

 どうと響いたな、、

 あたしはいくらか糸が、巻きついている、、

 先へ、先へ、

 亡霊の身振り、、

 あたしは足をスる、、

 なんだか肌に、

 ひんやりとした地面が含まれてくるぞ、、

 あたしはここをのむ、、

 のみこんで、、

 内界の映像とする、、

 あたしが歩く廊下、

 どんどん来い、、

 なかへ、なかへ来いという、、

 

 なにか響きだ、、

 あたしのなかへ束になって渡ってくる、、

 あたりの響きだ、、

 それが中心、、

 それがかなたへ膨らんでゆくこと、、

 さぐる、さぐる、、

 ものの内部にあたる、、

 これは何重、、

 これはトオン、

 これはかく細かい砂の飛び散り、、

 うちへ、

 うん、うちへ、、

 どうぞ、あなたは、、

 いつもその、

 見たこともない表情から、なかへ、

 なかへ入る、、

 その下方でおそれ、

 しずかにふるえている魂のひとかけら、、

 あい、

 私は映る、、私は映す・・・

<2681>「山海塾〜TOTEM 真空と高み」

 見て参りました。本物が見れてよかった。

www.sankaijuku.com

 

 初めてのジャンルの物は鑑賞方法がよく分からず序盤はなかなか苦戦したのですが、段々、

「これは私の内的映像、いつもは浮かび上がってこない心象風景のざわざわなんだ」

ということを自分なりに掴み出したところから、ぐっと作品内部に入っていくことができました。

 無音の悲鳴が。

 

 また何か探ってみるか。

 

 カーテンコールがなんともチャーミングでよかったです。

<2680>「私は人間だった」

 静かに探している、、

 あたしはどこの場所に立つの、

 まだ、

 見えない流れから、あなたは、

 順に重なって、、

 ここを過ぎるのか、

 あたしは、、

 その流れを嫌い、

 ひとつの空白に立つことにする、、

 誰が、、

 誰がこの響きの中心をなすの、、

 あたしは身体をする、

 具体的に確かめる、、

 あなたもそこに入る、、

 

 ふたつの日々の、

 線の、

 細い通路が、

 そのままここへあらわれて、、

 私はゆすられる、、

 私はしかしこの揺れ動きを、

 どこかで待っていた、、

 あたしは矛盾のひらく場所を、

 どこかで待っていたのだ、、

 あなたはごくあたりまえの存在、

 かにみえて、

 とても特異な道を持っていた、

 どこかに恥ずかしさはあるんだ、、

 しかし、

 恥ずかしくてもかまわないと思うようになる、

 私は線を濃くして、

 そう思うのかもしれない、、

 

 どうするか、

 私は何度も息をする、、

 どうするか、、

 これは、

 私がおそれて、おそれて、、

 しかし、どうするか、、

 私は人間だった、

 具体的な身体を、いつも見ているのに、

 私は人間だった、

 と思い出すことが多い、、

 うん、

 私の仕事の線を、濃くしたら、

 社会との通路がなくなるわけではない、

 それはむしろとしごとに濃くなる、

 通路も濃くなるのだ、

 私は、問題を解決しないまま、

 どこか他の場所に移動するだけでは、

 なにも意味がないことを知りはじめた、、

 人間として、

 私の仕事の線と、社会の線と、

 そのふたつをつなぐ通路を、

 上手く生かしていくことを、

 この場所で模索することなしには、どうにも・・・