<2347>「液はこたえない」

 あたしは無数になり、

 かわいていくのに、

 その声はどこ、、

 その身体はどこなの、、

 あなたは光の印象や、

 音の拡がりを、

 自然時のなかに掴み、、

 そこで夢を見ているだけだった、

 あなたは拡がり、、

 ものの生のなかに曲がる、、

 

 ひたすら言葉のなかにあらわれて、

 ここを見ているのだから、、

 あなたは知らなくてもしょうがない、、

 それが普通のことではないだろうか、

 次々に曲がる、、

 その物事をここに伝えて、、

 じっと待っている、

 そんなものではないだろうか、

 あなたは悲しみに触れ、

 それを膜にし、

 そのなかを泳いできた、、

 その時刻に触れ、

 なんだ今から出てくるところ、

 それは全て言葉だ、

 それはながいジのテープ、

 テープのなかのさわぎ、、

 私は不意にこの時刻のなかに始まって、、

 また渦のなかへ戻ってくる、、

 拠点というのは具体的な場所ではない、

 拠点というのは私が取る物理的な姿勢のことだ、、

 だからしきりに私はどこにでも机を設置しておいてくれと考えるのか、、

 町中には机が少な過ぎやしないか、

 そうでもないのだろうか、、

 私が日中に外でその物理的姿勢を取っていたら不気味だろうか、、

 映像としては少し変だという気もする、、

 

 なにかが、剥がれたなかで、、

 私は、秘密をひとつする、

 身体が、

 宇宙の入口へ向けて、溶けている、、

 溶けている、液を見つめて、、

 私は、掬い、

 声をかける、、

 お前はまだやわらかいままでいたのか、、

 私の姿勢と時間を同じくするか、、

 それとも風に当たるか、と、、

 あなたは液なのでこたえない、、

 ただ、

 現実のなかで不気味に横へ横へと動くだけである、、

 あなたは居たか、、

 つまり、ここより過去にも、こうして、、

 液はこたえない、

 あなたは存在の隅なのか、、

 私には分からないが、、

 どうだろう、

 移動する人たち・・・