他方人、空っぽの、空っぽの他方人は、誰かに怖い思いを、させていた
「の・・・」
いちどでふるえ声。板から、顔だけ、にゅいと見る、あれは、私のなかの、疑い深さ、とどこおりがたさ、あくまでも眠らない、渡しがたさの波の話。一粒でも漏れて、しゅくしゅく溢れる、と、水の色や、かけらの匂いが、ふうふう言うて、なくならない息とともに、訳を話さず揺すりゆすり歩いている。
飽きたらず、かたまり、また常に、ひと撫でのその、その分だけはわざとらしさを拓けるもの。
「このことごと騙し合い・・・」
明日にまで、憧れをひきのばすと、そこいらに、ひずみと、輝きが、緊張しながら寄り添うてくる、まだくる、どこへくる、語らいのなかの隙間へ染み込んでくる。
「では、あなたがこのごこころごと落とす言葉のなかに」
も・・・も・・・。