言葉でやり取りする限り、嘘は出てしまう。嘘というよりも、本当のことが出ないと言った方が正確だろうか。いつでも周りをなぞっているだけだったり、全く違う方角で、計画された音がむなしく鳴っているだけだったりする。
「嘘をつくな」
この言葉の前で、さほどではないが困惑する。さあ、どう話そうか。ゆっくり横になって眠りたい。流れに沿わない気持ちもここでは嘘か。本当らしい型が用意され、一番近いものでも微妙に、しかし確実に通過できないところを見る。
合格だ。果たしてそうか。とびきりの嘘をついた。どうも本当でない、嘘でもないようだ・・・。