2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

<465>「零になる」

鋭さ、あるいは軽さをどうにかしようとして、この分かりにくい停止を甘受している。鈍たいがままの運動というものを、立ち上げた方がよいだろう、と考えるときの頭は、確かに軽さであるのだが、制限されているものがなんともなくなるとすると、制限している…

<464>「あの穴へ」

招かれざるものが、ほんの意識の遠のきを利用して、中空に浮いたその場所へと急ぐ。とっくにこの身体から離れたものたち(しかし、この身体から離れていったものたち)、そのなかで、点である私が今現在という名で動き回る。 点に映る光景は、全て今現在との…

<463>「ひとひの渦」

愕然とするにはうってつけの場所だ。愕然とするには、うってつけの、その場所へ、私を連れていってくれ。連れていってくれたら、そこで次々に立ち現われる顔を壊していこう。 話が、1日のうちに全て収まった。驚くべきことだ。目一杯右へ左へ、ふざけたり一…

<462>「悪の手触り」

悪の最大の魅力は、それが本当らしく感じられる点にあるのではないか。悪に触れている(あるいはどっぷり浸かっている)のと、全くそういうところとは関係なくのほほんと暮らしているのとでは、前者の方が、より本当に近い、より真相に近い、と何故か考えさ…

<461>「得体の知れないヒ」

そんな経験などなかったのじゃないかといって驚いているようだが、経験は身体に任せておけば大丈夫だったようだ。徐々に何かを開いていくイメージでいるのかもしれないが、さあ、どうかな? こればっかりは分からない、というより、何かを開いていくために進…

<460>「夢のなかで人が絶える」

惑いであるもの、その中心に、強かな私が映るはずもなかったが、その歩みという歩み、前進に次ぐ前進が、ひたすら全体として現れ、また、部分を掴みあぐねるなかで、混濁の中心に光るものは、滑らかな目。平たい、冷たい・・・。ああ、全身という固定が煩わ…

<459>「分けること、分けないこと」

何でもかでも分けていくのは愚かしい。だから、分けない、あれもこれも分けない。そして風景となり、風景として見、曖昧なバランス、揺れ、歩行を受け止める。それは難しいことではなく、少しく楽しいことではあるが、一方でどうして困難を感じるような気が…

<458>「動作と移動した」

そこで動作したことが、胴か下かは分からないが、そっと響いていき、どうしたことか、ふっと盲いた感情のごとく、ゴタゴタゴタ、ゴタしてあらどうかした? 何てこと・・・私としたことが・・・。当然なびいてくれるはずのものと思っていたものが、そうと知ら…

<457>「どこから入ってきてもいい」

そのものが魅力的ならばそれでいいんだ。どこから入ってきたかなんて気にしやあしない。どうも、入ってきた先というのを探りたがり過ぎる。どこから入ってきたのか、確かに、その偶然がなければ、ここには入ってこなかったかもしれない。しかし、大事なのは…

<456>「妄想を通せ」

中心を疑う訳ではないが、すり合わせるものども、また、なかから無くなることども、返答に窮することでも、明日、朝、みてても、本当に、通行したいと思いなさい。 分割される、来訪の、到着の、はて、まとめ上げを期す、きす、来す・・・。気分がベーリーグ…

<455>「読み方」

ザラ、ザラなぞっていけばいいものを、それが肝心であるところのものを、何故二番目に追いやってしまうのか。内容は、あるといいし、なくてもまあいいというもので、そちらの方が二番目なんだ。とにかくそこに動きがあってそれを感じるということがある。そ…

<454>「手の覇権」

余計な考えだ。何が余計な考えかというと、これだけたっぷりの時間があるのだからもっと余計なことを考えることに時間を割いたらいかがか?というその動きがだ。あなたは具体的に動くことを検討し、だる~んと境界移動を開始しながら具体的にこちらでも動け…

<453>「息が上がって」

息が上がっているだけだ。あら? 何言ってるか分からないのかしら? ゼーハーゼーハー言って頂戴、そら、ねえ、どうして? だから、私は息が上がっているだけだからなんだ。そんなことないってどうしてそう思うんだ? あら、あらあらあら、随分と頑張ってい…

<452>「この不思議な小ささのなかで」

悲しげな不幸を、そのうちに追いかけている。何が打ちのめされているのだろうか・・・。思い出しながら、順々に、風はその空気のほか一切をさらっていく。 ぼくは、この不思議な小ささのなかで死んでいくのではないか。それはそれは当たり前の小ささのなかで…

<451>「夜はこちらを見る」

嵐吹きすさぶ、夜がどうしてこちらを見た? 暗さは、人の影を洗い落している。 いきりき、ききりき、きいーーーーーっっっ。 ねばたく光る、一息の太陽。これは、夜ではない? いきりき、ききりき、きいーーーーーっっっ。 呼吸が、1,2のリズムで投げられ…

<450>「言葉と身体」

別に、皆が共通言語で通していたっていいじゃないか、それで何の問題もないじゃないか、という話には当然、同質化・多様性からの批判を向けるのだろうと、おそらく既に予想されているだろうから、それはいいとして、もうひとつ、言語は身体であるという方向…

<449>「同じ言葉を使うようになる」

昨日、共通言語について書いたが、世界には大体約7000もの言語があるらしい。それで、この数は減る一方であるそうだが、それではダメで、何がダメかというと、7000だったものが8000とか9000とかに増えていかずに、維持、あるいはジリジリと…

<448>「多様性と同質化」

物事には必ず良い面と悪い面がある。人は、頭でものを考えることが出来た。それが様々な発展をもたらしたことは間違いない。では、悪い面は? 非人道的、不道徳的な行動の元になることを考え出してしまうところにある? うん、それも間違いではないかもしれ…

<447>「執拗に揺れる」

解放されて、身体が軽く、喜んでいるときにも、諸々が塞がってどうしようもなくなっているときにも、さてこの解放された気分というものは一体何なのだろうかという疑問を持ったままでいるのだが、この離れた考えをどう心得るだろう。解放されているときに、…

<446>「未生がきかれる」

何だ、その、くねくねくねくね身を揺すって・・・。それでどうにかなるもんでもないよ、え? だってそうだろう。左、右、左、右とやっていりゃあ、何かになるってもんでもないんだよ。あれ、おい、おい! 分かった、分かった、分かったからそれ以上大きくな…

<445>「根の不安」

外側から眺めれば、その紆余曲折も、激しい勢いも、ただ微笑ましさと驚嘆であるだけなのだから、特に気にする必要はないというか、限定だけで物事が考えられる必要もないのだ。ただ、この限定が全てであると、当事者は思っているというか、それが当事者であ…

<444>「歩むイメージ」

歩みに対して持つイメージを、どこかで漠然と間違えているのかもしれない。生にまつわるものがここで、再び入用になるはずもなく、ただ死んでいく者に成り代わっていくらかの表情を示すだけだ。 すっきりと、クリアな領域へストンと落ちる、それは、期待とは…

<443>「打ちのめされつづける」

打ちのめされるって言うの? 嘘みたーい。嘘じゃなくて本当なのだが、えー嘘うふふ。こうして実際に殴られでもしたような格好で倒れてみせないとダメなのかね。なに、そこまでは言わないんだね、そこまでは言わないんだね。全くどうも、打ちのめされて倒れた…

<442>「さあ食べて」

一度、揺れてみせて、そら、もう一度、うん、やっぱり、固定物ではないのだね、そら、どうした、もういっちょ、ああして、やっぱり、無計画ときたら、さあ、ほら、簡単だ、道理で、えい、さあ、虚栄心から真っ逆さま、どいた、どいた、本当に、よく見てて、…

<441>「寂しくいてみる」

悲惨さに手を差し伸べる訳でもなく、かといって目を逸らす訳でもない。それで、自分の為すべき事を済ませたら、速やかにその場を立ち去ってしまう。何かが足りないような気がする、何かもうひとつあるんじゃないかと言いたくなるのだが、その一連を繰り返し…

<440>「くずれ、はしる」

同じ物として捉えられなくなったとき、悲鳴をあげているのはあちらか、あなたか。私はこの反復と循環のなかでのズレをどうすることも出来ない、全面的な変更を、どうすることも出来ないでいる。 ひとりの人間が走った。ともかくも、確認と変更を示すためにこ…

<439>「大錯覚をほどく」

大錯覚からの大歓迎の期間が長過ぎるので、反動というか失望も大きくなってしまう。あっ、こいつはそんな奴じゃない、とても皆でいいねいいねと言うような人間ではないぞ、というのは早く気づかれた方がいいのだがそれは分かるのだが、かといってわざと悪態…

<438>「遅刻が平気な状況へ」

一年に二百回ほどの遅刻をしてへいちゃらだった奴が、数年の内に二度遅刻をしただけであたふたしている。何ともおかしな話だが、遅刻をしたことによる不利益を、自分が被るか他人が被るかという観点から眺めれば、まあそこまで変なことではないのかもしれな…

<437>「砂の中に溺れて」

溺れる者を襲う波の激しさ、水の冷たさには容赦のないところがあるのだろうが、溺れない者の砂漠にも、広さ、そして底なしの深さがあった。 じりじりと、熱くもない、夜も訪れない、真昼間の連続、視界の明瞭、喉の渇き、渇き・・・渇き? どうやら、水を必…

<436>「平等というのは」

平等というのは、立派かあるいはそうでないかということを、呼吸が問うていないことを言う。お前は疲れたかそうかお前は疲れたか。そこで休んでいろ。もっとも、休めばまた休んだだけ疲れるのだがな、平等はそう言っている。 平等というのは、結論を定めても…