<452>「この不思議な小ささのなかで」

 悲しげな不幸を、そのうちに追いかけている。何が打ちのめされているのだろうか・・・。思い出しながら、順々に、風はその空気のほか一切をさらっていく。

 

 ぼくは、この不思議な小ささのなかで死んでいくのではないか。それはそれは当たり前の小ささのなかで。

 

 そうではない、もう行こう。例えば、転換するものは歩みとなり、軽快しいしいこのなかを行く。

 

 ぼくは、この不思議な小ささのなかで死んでいくのではないか。それはそれは当たり前の小ささのなかで。

 

 そうかもしれない、だが、もう止そう。尋常の景色が、苦笑いをする。ひとつとして逸らせぬものはない。ただ、それを意識させないだけの歩みにはなれるのだ。