<2208>「忘れられた水の相」

 あたしがまだ時間の仕草のなかで、

 こう声をするのに、

 流れがあるからか、、

 いつの形か、

 いま来て笑っている、

 ものがここに見えて、、

 このなかで長く笑っている、、

 遠くから来ては、

 この声のありさまに、

 また私は潜るのだ、、

 垂れるはたの水の様子、

 を、と声を出せ、、

 あたしは形が漏れるのを掴まえる、、

 この振動に居ながら、

 私は垂れる、、

 

 おそれては存在の、、

 もののまくのなか、

 ひとり被さる、、

 あたしはここに深く彫り込まれて、、

 ひとつの時間の振動と、

 身体をともにする、、

 あ、

 はっきりと揺れて出てきたのだな、

 と、

 ここに印を交わしながら、

 いる、いるんだ、、

 どこまでも振るえて、

 どこまでも先へすべりこんで、、

 あたしは砂や、

 鋼鉄の、

 忘れられた匂い、、

 その、うしろを感じさせない姿に、、

 ただぼうっと立っていて、、

 ここを嗅ぐ、

 あ、

 そう、

 どうにも、

 どうにもならないというところから、、

 私は来たんだ、、

 粒が水になり、

 水がいまの未決定の相をする、、

 

 あれはじじつのなかでいくつも仕上げられて、、

 ここに次々に浮き出てくるのだが、

 私はどうも、この模様を、、

 当たり前のものとして捉え、

 そこから揺らがせて、夢を、、

 ここにつくってしまおうとする、、

 あたしはあたりまえに揺れて出てきたのだが、、

 ここに時日は染ませてくれろよと、、

 声をたててきたのだが、

 もののひらくその先頭に、、

 私はあって、

 揺らぐひとつの水の連なりになって、、

 ふと、始まっている・・・