<2207>「時間のほうけ」

 確かに私はここにいて、

 ここの時刻と何かを共有しているのだが、

 どうしてだろう、

 いなかったのが当たり前にも思えるし、

 いたのが確かな連なりになると、

 考えているものもいる、、

 さ、

 ふわりと浮き出して、

 あなたもまたこの呼吸のなかにいましょうと、

 声をかけてくれたのだものね、、

 

 日々に違いながら、

 ただ漏れ出る、

 ただ私は漏れ出る、

 ここがどこだろうという顔もしないまま、、

 次から次へ、

 あなた静かだもの、、

 あなたは悲しい、

 私はそんな声のひとつひとつになって、

 この場に漂っていた、、

 空間にどのように染みるか、、

 瞬間毎に決め、

 その瞬間のズレが、、

 微妙な色の差となってあらわれる、、

 私は願っていない、

 私は何かが良くなるとは信じていない、、

 具体的な生活に注視するだけ、、

 具体的な生活がどうあるかを探るだけ、、

 私の皮膚もそう、、

 あれ、同じ空間に、

 違う仕事とともに来る、、

 私はまた別の線を引きに来たんだ、

 そうなのだろう、、

 この線はもう踏むことがないかもしれない、、

 人間の時間は何処に、

 順に来て、、

 頭の中で、

 いつも、時間ではなくなる、、

 次々に変化する、、

 ごくあたりまえに、

 ひとつところで作られた人間を見て、

 また笑む、

 また身体に来る、、

 つながる、、

 

 あれはひとつのほうけ、、

 多分、

 私はほうけることによって、、

 この身体にあるバラバラなものを、

 ひとつの風景にしてしまおうとしている、、

 そんなことは無理なのだが、、

 誰もいない真昼の電車で、

 ただ陽と時間と一緒に、

 ほうけて過ごしたところへ、、

 何もかもを集めようとしている、、

 ひとつ揺らぎながら・・・