<2046>「灰になった声が」

 あるいは劫へ、

 まったく放られたままの姿になってだな、、

 私は、見ていた、、

 可能時間を、

 一心に見つめていた、

 私は剥がれて、、

 この透明なものごとのなかに紛れ、、

 なかの紋様へ、

 見事に入る、、

 ア、

 なかはからなのだが、、

 ここはどうもカラなのだが、

 おそろしい、

 風景が吹きつけて、、

 私は粒を振りながら、

 可能時のなかへ、

 ひそかにかえっていく・・・

 のが見えた、

 時刻はすっかりそこへ移っていた、、

 

 ア、、

 なにか、肌の上を、移るものがあるぞ、、

 と、ひとりのつぶやき、、

 あたしから声が出て、

 コレハ、どこから出たものなのか、、

 不明である、、

 そのざわざわとする肌の感覚を、、

 今ここでおぼえているものがあった、

 ア、

 はげしく連なり、、

 わたしは過去からうたいを受けた、、

 歓待なのか、、

 それとも、生きていて、ただ、、

 ぽろりとこぼれた音なのか、、

 私は耳を使ったろうか、

 この道筋を来て、、

 声が灰になったと思いますか、、

 灰は伝達する、、

 私が生きていたということはざらざらとする手触りでした、、

 あなたも知っていますか、

 と言う、、

 ここの響きだ、、

 

 ア、

 夢想のなかに、、

 静かにあなたの声が落ちました、、

 現実の手綱、

 熱気の程度を、、

 今ここで確かめながら、、

 私はこの領界で生きていました、、

 ア、

 まっすぐ肌へ当たって、

 目を覚ますものの、、

 その粒の立ち上がりに、、

 私は参じてきた、、

 ア、身体が軽い、生きていると、、ざらざらとして・・・