<64>「拒否また拒否」

 包むつもりがない。そういうことはわりかしハッキリと伝わる。他のいろいろな条件をあげつらって、あーでもないこうでもないと言い、何となく説明のついたような、どこか納得のいかないような心持ちになっているが、そして、自身に付随する条件の悪いことを嘆いたり、良いことを喜んでいたりもするが、それは形式の為には無用ではないと言え、有無を言わさず惹きつけられるか否か、という段になると、そんな諸々の条件は些細なものになると言わざるを得ない。大事なのは、懐に迎え入れる用意、心意気があるかどうかということで、これがないと全くダメである。求めたい、求めたいのにおかしいとばかり考えているかもしれないが、実は強烈な拒否が、奥にですらなくそもそも前面に出ていて、それが当然のことながらメッセージとしてバシバシ伝わってしまっている。まずコイツと話をしてみなければならない。だが、その底知れぬ拒否の理由をなかなか明かしたがらないから難しい。