<69>「取って行って見て朝に」

 空白があれば埋めたくて、埋めることなんかないよと言ったって良いけれども、空白があれば埋めたいということが全てで、有る無しの話ではない、それはどこでないかと言えば全部がない。どこでも。何かの区切りをつけようと、締めようと、一新しようと、そういうのはいささか無理な運動で、変に肩に力が入って柔らかさを失い、どうなるかと言えばイライラする。そういうのを見てどうかと言えば残念というか、時間で生きなくても良いんだよ、自由に巻き戻したり、潜り込んだり、拡散していったら良くて、だってお前は朝の七時にはこの部屋には居なかったのじゃないか、区切りなんてつくと思うか? だらだらと流れ出してるって話だって本当かって言ったってそうやって戻って行って取って見て食べて。朝に起きてりゃ夜は明るくて、道理で俺ぁひとり、いや、他人がいなけりゃひとりってことも言わなくて良くて、さあ、少し本でも読もうかそっか俺は明日っから別の人だってそんなことは今更で。雨音もないときにポツ、ポツ・・・と想像してみてホラ、ポツ、ポツと・・・ってそういう想像を働かすようには出来ていないからまだポツ、ポツ・・・と雨・・・。コツコツとドアをコツコツとドアをコツコツとドアをノックノック、ウィットに富んでどっちらけ。