<2762>「もらう声をすべて散らす」

 あなた眼差すの、、

 そこに、

 熱をおくの、、

 からだのなかにいくつもあり、

 あたしは走らすの、、

 ねえ、

 あたしはどこをさぐる、、

 あたしはすべてほどける、、

 すべてほどけて、

 柔らかい海へ、、

 あたしは無感でいる、、

 あたしは無感で浮かんでいる、、

 なかへ、なかへ、、

 ひとつの風景へ、、

 

 からだなどここへ挟んでください、、

 どうか、どうか、、

 あなたもこえのきこえるよう、

 ここに、

 ここにひとつの、、

 からだを挟んでください、、

 私が招待しましょうか、、

 秘密とて、

 なにもありませんけれども、、

 私は、

 そして、、

 あなたを容れることで、、

 あなたを容れない、、

 そこには別の世界が働くことを、、

 からだを通して感じる、、

 あなたその、

 あたしのなかでびりびりするの、

 感じるの、、

 ものがはなれない、、

 あたしについて、、

 からだのためのもの、、

 渦で、

 ぐるぐるとまわる、、

 あなた身体について、、

 そして、

 ゆっくり溶けてほしい、、

 からだすべて流れて、、

 私はなかへ居るから、

 

 あなたはその興奮を見留めた、、

 そして、、

 ただやわらかく口をアいた、、

 そのメッセージどもが、、

 あたしのこの穴から、

 ゆるやかに、たしかに出ていくように、

 私は口をアいた、、

 あなた声を失った、

 しばらく見ていた、、

 どこへでも散る、、

 ここで、閉じると思われていたもの、

 どこへでも散る・・・

<2761>「静かな場所の道具」

 あたしは小さな場所へ立った、、

 以前、

 激しく、争いの満ちた場所は、

 時間とともに、

 静かに踏み固められ、、

 私は、

 無音を享受している、、

 私は、

 ここで見事道具となっている、、

 姿が、

 ただあると姿は、

 どこに行くかは分からない、

 空間に、

 少しずつふやけて、

 とけてきたことを、、

 ひとりで思い出す時間、、

 

 からだが、私に向かい、

 描いているもの、

 あたしは創造する、、

 しかし、、

 呼吸は、

 一度に一方向で作られていくのか、

 私の中を通過する、

 あたしは、

 過ぎてきたものを、

 懐かしさでも、

 かなしさでも、、

 無興味でもなく、見つめる、、

 ここに、

 今の生の全てがあるのだ、、

 私は張り巡らされている、

 私はそれを掴まえるし、

 私はそれを掴まえない、、

 呼吸が、

 次から次へと生まれてくること、、

 私には何の事、

 何の事はどこ、だれ、、

 私にはただ垂れたこと、、

 あなたの線を見ている、、

 

 かたく包まれた、、

 そのもののなかに、

 表面のひんやりとした部分の、

 表情は伝わっていくだろうか、

 位置を、

 こまかくかえて、、

 あたしは人間の先へ行こうとする、、

 人間の根のさらに下へ、

 向かおうとする、、

 あなたがいくつもの声を持ち、、

 そこにあらわれては、、

 いくらでも、、

 からだを長くすること、、

 あたしは仕事であること、

 道具であること・・・

<2760>「あまり他の身体が入り、飲めない水」

 あわが立つにちがいない、、

 あたしが液を生んで、、

 ここに、とどまらせると、

 そこから立つ泡、、

 あなたはものの隙間のなかに潜る、、

 あなたはからだを渡している、、

 からだのなかに潜る、、

 あたしは泡を見ている、、

 必要にまさる、声が、、

 あなた枯れ、した、、

 ことばとところ、、

 あたしは風向きもした、、

 複数の、色が混じるところ、、

 

 あたしは夢を見ていた、、

 徐々に、

 その映像は眼前へ漏れ出す、、

 あたしはどこだろう、

 とそのときおもう、、

 現実の、

 決まった場所を持っていないということ、、

 この場所はどこなのかということ、、

 あなた咳払いする、

 あなた透明になる、、

 複数の、

 からだのはじまり、、

 あたし遠くへ駆ける声をする、、

 ふたつのたくらみ、、

 お前は袖で、、

 私の振舞いを見る、、

 わたしはひらく、、

 わたしは土の中に全てのものをこぼしていく、、

 あたしはおどろく、、

 ここは何のシステムなんだ、、

 あたしは深くなる、、

 ここは水が飲めるのか、

 静かな体温の私、、

 からだの私、、

 水がとけてどこまでものびるのか、、

 のびたところで立つ泡、、

 私は無防備に見つめている、、

 これに心の、

 心の全てをとられてしまうとしても、、

 

 あなたはその目線をくれ、

 その目線のまま、

 横を歩いてくれと、

 私に要求したのだろうか、、

 私は秘密だった、

 今や、

 なにも秘密がないことで、

 訳が分からなくなっている、

 かげがこくなっている、、

 あたしは水を探す、

 この水はとてものめない、、

 他のからだが、

 入りすぎている、、

<2759>「からだをまわして少しずつほどける」

 かたちのない、

 その隙間から、

 延々と漏れていて、、

 私は、

 黙って手をします、、

 黙って身体を向けます、、

 あたりまえだが、

 こんな流れを見ていると、、

 あたしの成分は、

 目を回しそうです、、

 どこか、

 暗いところが用意され、

 あなたは、

 そのまま回転しそうです、、

 

 しずかにこの浮き上がりのなかへ移り、

 あたしは身体をばたつかせる、、

 水がそれぞれに分かれ、

 思い思いに呼吸するところ、

 あたしは、

 訳も分からずしずかに見ていた、

 遠くで、

 誰か招んでいる声がする、、

 あたしは、

 その声の、芯の辺りに、

 身体を近づけてみた、、

 肌がやけていた、、

 まったく、

 全てが染みてしまったあとで、、

 あなたは、

 この響きのなかに、取り残されていた、、

 すべてを見ている、、

 しかし、

 私に知りえたことはなんだろう、、

 落としてきたものを、

 ひとつひとつ拾って集めたいという衝動に、駆られ、

 つい遠くまで来た、、

 どこから戻る、、

 あたしは、

 空隙を増やすことで、

 瞬時にそれを解決しようとした、、

 

 あなたの肌はここ、、

 私の振るえはなか、

 あなたは、その、

 慎重な手つきのなかに、

 まったく新しい格好で、

 生まれ続けようとしている、、

 生まれ続けようと、

 次々に湧いてくるものを、

 ひどく遠いもののように思う、

 それがわたしの視線でした、、

 あなた、あれ、、

 私は、ある、、

 あることから、全てが渦を巻き、、

 少しずつ、ほどく・・・

<2758>「人間のかわく場所、ひとつの砂の部分」

 ヒがからだにあたりつづく、、

 私はからからにかわいてしまい、、

 指で身をすりつぶし、

 全ては粉になり、、

 しずかに、

 ものの奥へ、駆けていきました、、

 別の招び声の場所、

 あたしはまっすぐ潜った、、

 人間のない場所、

 人間の、かわく場所、、

 あなた、

 あたしは線ばかりに、、

 なにか、

 からだがきこえるばかりに、

 そこへ、

 小さな身体を用意して、、

 

 あれしかもそれはけだるさではない、、

 あたしはかわいたものの近くで、

 安らいでいた、、

 この場所の匂いもない、、

 あるいは、

 私が既に混ざり切ってしまった、、

 どこから来たのだろう、

 私は自分を見、、

 からだを見、

 穴を見、、

 夢の中を見た、、

 あたしは道を歩いていた、、

 少しずつ透明になり、

 一切のものが外へ、溶けていくのをただ、

 見ていた、、

 あれはどこへ行くのかしら、、

 あたしはその場所の音を構成する、

 ひとつの砂の部分になっていたのだ、、

 なにだろうきこえる、、

 あたしははてからきこえてくる、、

 その砂の小部分を、

 また、

 身体につけていた、、

 

 そうか、

 一度外へ送ることは、、

 身体の響きを、

 前より少し大きく、することだったのだな、、

 あたしはうなずいた、、

 このからだまだ、まだ先へこぼれるぞ、、

 あたしは無感の底から、

 熱を送り、

 その予感を空気の膜で覆う、、

 私は息をしているぞ、

 おそろしい、、

 この轟音はなんだ、、

 この破れは、、

 あたしは先の粒を通過して、

 戻ってこようとしている・・・

<2757>「なかに満ちる機械、回転の夢」

 かたい、

 しずかな水のなかに、、

 お前が来る、

 お前は、

 どういうしかたかも、分からないままに、来る、、

 からだ、

 お前は、出ている、、

 あちらこちらから、出る、、

 ただ、

 水のなかで混ざり、

 踊るだけ、、

 あの長い、

 季節のありかに、

 つながるだけ、、

 

 わたしはしずかに膨れた、、

 なかに、満ちる、機械、

 お前が言葉ごと、

 そこにうつせるような、、

 からだのよそおい、

 あたしはすぐそこに沈み、、

 ただ、

 水を集めて、

 しずかなからだにする、、

 あたしが集めていたもの、、

 底の方で、眠っているもの、

 おい、

 それははしゃぐんじゃないぞ、、

 しずかに触れて、

 起こしてあげてください、、

 そうしたら、

 表面へ印も、出てきます、

 出てきますからね、、

 なるほどあなたは、

 回転の夢、、

 回転の、わずかなあたたかさに、

 あなたの身体を、

 寄せようとしていた、、

 

 あなたはその回転のまま垂れた、、

 どこへ声する、、

 からだ声する、、

 からだたくみにあなたの方へ、

 私を揺する、、

 どうなのだろう、

 すぐ通路が閉じ、

 ほうけた場所へ、出てしまうのに、

 通路もなにも、

 うん、

 出てきた匂いはする、、

 出てきた ときの、

 空気の変容はある、、

 あなたがここにはじまり、、

 からだを通すこと、、

 もののなかに、

 あなたが通ること・・・

<2756>「あなたの悲鳴が、新しい皮膚の層になる」

 隙間から液体、

 あたしのため、、

 あたしは手をのばすため、

 からだの存在、

 からだが、

 次々にのびているため、、

 あなたは、

 時刻もしらずに膨れ上がる、、

 どこから定めて、

 どこから放るの、、

 あなたがたのかたい、

 かたいいのちのところ、、

 液が入って、

 しばらく立ち止まるところ、、

 

 あたしは見ていたい、、

 この静止の時刻を、

 あたしはもののなかに立ち止まって、

 ひとり揺れる、、

 ひとりもののなかに揺れる、、

 あたしはなかに始まって、

 からだを欠き、、

 水のなかを欠き、、

 ひとりのはだかのなか、、

 あたしは集まって、、

 もののなかを見、、

 いまに手など見えて、、

 からだは管ばかり、、

 あたしが、

 隅々まで流れて、

 轟音で、

 沈黙して、存在していること、、

 からだはこの時刻と、

 水を繋ぎ、、

 水から少し外に漏れて、

 ひとつの呼吸を作る、、

 呼吸が生まれたところに、

 ひとつの道ができ、、

 あたしはそこを行く、

 それは圏のひびき、、

 ただながくあつまって、

 あたしのひびき、、

 あたしが地面を踏む、、

 あたしが道の粒を、

 徐々に吸い込む、、

 沈黙の材料を得る、

 

 あたしのヒのなかがわ、、

 あたしヒにかえる、、

 ヒをからだからあびる、、

 あびたらあびただけのかたまり、、

 かたまりから少し生む、、

 生んだら悲鳴が出る、

 あたしは、

 沈黙して待っている、、

 あなたの悲鳴が、

 新しい、肌の層になる・・・