<1783>「四方で絶えて」

 なん、なん、

 それは線と、なに、、また、私のところで巻く、、

 一さい、一さいの、、

 肌から漏れて出て来たものと思われる、、

 やらかに日のなかに生まれ出て来、、

 当たり前にそこを過ぎるさの、

 一量の在り方、、

 なに、静かにそのしろを見せてくれ、

 見せてくれたらば、それで、いいと言う・・・

 それで、また生まれ出て来ると言う、、

 

 あたしが肌を過ぎてその小ささのなかで鳴る頃、、

 一切の隙間から、

 次々に出で来、、

 知らずしらずのうちに静まる呼吸のなかざまに居て、

 なん、私の在り処、、

 それからそれへ珠の響きが重なり、、

 なん、私を見た、、

 そいで、出で来、ばらばら、、

 四方へネを立てて、

 あい、

 私を咥え込むもの、、

 なにだかなにだか香の中へ、順繰り、順繰りに、、

 また紛る、、

 からだのなかにたくましくあらわれて、振る、、

 どこまでも振る、

 どこまでも振り、それぞれ、、

 この隙間からきかれた、

 ものもそこへ用意されていた、、

 いつにも増して含むあなたの、

 響きの長さに、

 私はどこか遠い、

 鐘もそのなかで静かに絶えてくらむところにいる、、

 くらむところから姿を出し、

 揺れが出で来、、

 揺れのなかでどこまでも眠る、

 

 あたしが自自、

 すまされて来たものへ、しかと手を、、

 揺れて、付けて、、

 あたしは水の量が増して来るなかで、、

 揺らぐ、揺らぐ、、

 今あなたのその温、自のなかへはいり、、

 全く沈黙している熱量の、

 力感をおもう、、

 ただにその肌は生まれて、、

 そこで生きているものはなにごとを受けて、、

 私の中で剥がれる、、

 私からは外へ行く、

 何故かなたの響きとしてあるものが今音もないまま、

 ここに、加えられたままになっているのか、

 だれだ、だれだ、、

 あとを継ぎ、あとを継ぎ、、

 立ち上がっては曖昧な泡になるもの、

 こちら、こちら、、

 そこで身体が鳴る方へ、続きを向けて・・・

<1782>「声を見、声を掛け」

 そこにすみやかに置かれて、

 今に、まだき、まだき、生まれて、

 ひとつめの緩やかな回転、

 ひとつめの緩やかなうたい、、

 身体が生じ、そのなかに混じり、、

 私に向かい、大仰に声をし、

 声を見、声に当たり、、

 だらりと垂れてくるところ、、

 大仰な回転のなかにいて、

 私の中で弾け、、

 そのなかでうたい、

 あ、今に身体を持って浮かんだそのいくつもの、、

 肌を見、肌に当たり、

 今また静かに生まれ出ます、、

 

 出ましての、

 おいそこに出ましての、複数の線、複数の身体、、

 知られて、私の方へ傾き、、

 今に様子を、

 今に身体の勢いのなかに混じって、、

 今その通りを当たり前に眺める、

 私のその浮動のなかで、

 声を掛けて、、

 あらたにほうけたなかへかえっていくと、、

 細い道に、身体が戻り、、

 今あらためて合図をし、生まれる、、

 その勢いのなかに生まれる、

 あたしは身体を招き、

 上手く風のなかに隠れて、、

 呼吸を立ち上げた、

 私は知られて、、

 呼吸のなかで知られて、

 当たり前にその表情の中、

 揺れる人々、

 揺れるものさま、生きながら、、

 私に声を掛けて、、

 あらたに畳まれる、、

 畳まれた時刻のなかへ次々に、出てくるのだった、

 

 あたしは揺れるいくつもの波に乗ったあとで、、

 その方向を激しく見るの、、

 ここからおおわれて、、

 はげしくそのなかで踊るの、、

 揺るその手から、、

 あたしがこぼれて、、

 上手くすみやかに生きる、、

 私は方法のなかで大きく身体がのびて、、

 どこへも掛かるのを、、

 当たり前に見つめていたのだ、

 跳ねてはたたいただけ、

 その全てが音のなかにはいる、、

 私はものを持ち、、

 その姿のなかへいくつかの回転を寄せ、、

 そのままであきらかな呼吸のなかへ、

 私を継いでいるように、思えるのでした・・・

<1781>「この道は泡になります」

 この時間がまたどこまでも先にひらけているということ、

 そしてこの時間はどこかに置いていかれる、、

 私はただそこで小さくひらき、

 方向を言う、あからさまに言う、、

 何故私はこのなかへ増えているのか、、

 ここからひとつの時刻を持って、

 ここに歩が出来るのか、、

 を、知らないでいる、

 あたしは今ここで肌を押して、

 違う時刻に入ろうとする、、

 身体ごと向かって行こうとする、

 

 知らない表情が浮かんで、

 私は、まったくそこへ、流れて行こうとしていました、

 それは前の響き、

 それは身体の前を通る響き、、

 どこかこの手でありえるところから、

 まったく遠くに入るものかしら、

 動いて、動いて、、

 あたしは諸方をじっと覗き込むようなのだけれども、、

 どこからこの身体を知り、

 どこからこの身体を放る、、

 私は、長い時間の中に、身を横たえて、

 いくつもの泡を辿るのでした、

 ここへ来て、ここへ来て、、

 張った、底の上へ、また続きます、、

 用意した動きの分、それ以外もまた、続きます、、

 そこに見えるもので、、

 上手く次の歩行のなかに入ってゆきます、

 そこに身体が同じようにあるのならば、

 揺らいで、

 上手く入ってゆきます、、

 

 あ、泡の、

 道が目に入った、、

 ここは、時間が経つと、泡になります、

 今はまだ良く分からないだろうけれども、、

 私がそこに来て、、

 身体ごと音を立て、

 熱を受け、

 ひとつずつを垂らしていくと、、

 この道は泡になります、

 私がよく眺めていることを、、

 過去の泡粒は知るでしょうか、、

 微小な差異を重ねて変わった顔をさらけながら、

 あけらかんと立っているでしょうか、

 そこには身体ひとつある、

 身体ひとつ、響いて、、

 今その幕のなかにすっかりと入ってあります、

 浮かぶ、浮かぶ、、

 それをほどくまもないままに、

 私は、泡の中の呼吸から、いくらも過ぎて、

 熱溜まりのなかに住んでいると、、

 様子が、

 今この日のあたりへのびてくるの、

 それを、今日も見ているのの、、

<1780>「あたしには身体などないので」

 その陽に浮かされ、

 どこかへ、あっけなく出てきてしまった、、

 見ると、どの線も、

 どのまとまりも、遠い、、

 私は情感がどこまでも静かになるように努めました、

 私はどこまでも視、

 ただぼやけて、回転するのをひとりのしぐさで聞いていました、、

 

 あたしの陽のなかに、

 長い時間入って、

 もう前後も、なにも、分からなくなってきたの、

 私は、炭になり、、

 練り、黒くかたまり、、

 一液ずつになって、この場所に垂れるの、

 それを聞いて、、

 私は遠くなりはしないかしら、、

 いいや、いいや必ず、あなたは遠くなる、

 遠くなって見せるだろう、

 どんな響きもここに、当たり前にきいてみせれば良いだろう、

 そうだろう、、

 と、あなたは言う、、

 

 あたしには身体などないので、

 今ここで作っている、、

 今ここで、大層な熱で、、

 それはどこかも忘れる、、

 私は走り出す方向さえ、この沸騰のために忘れる、

 劫に、肌をつけた、、

 私の身体にただ幾筋かの墨が引かれた、

 

 暗い、暗い、、

 私は、まだ照明されるまえのところで、、

 幾筋もの流れが、、

 当たり前に箇所々々を通るのを感じ取り、、

 驚いて飛び跳ねることさえ出来なかった、

 、事態に、

 私は表現すべきものの多くを内に留めた、、

 諸方で、

 にぎやかな音やらなにかの踊り、

 それが華やぐなかで、

 ひとりその音声は内にこもる、

 あ、あのオンジョウは、

 すっと内にはいった、、

 

 私は、身体を垂らしてきたあたりを、、

 順に順に、探ってみたい、

 ほとんどまだ暗く、

 墨で一字、二字と引かれたばかりのところで、

 回転した私という、、

 まだ沸き出てまもないものへ、、

 劫を経て、肌を付けたいと思うことが、

 確実に、ある、、

 あたしはそこいらをふらつき、、

 いきおいの良い風にまた垂らされる身体を持って、

 静かにうたわれた響きのまんまなかへ、はいっていく・・・、

<1779>「風の秒点」

 あたしはそこに、長い、身体を置いて、

 延々と、立ち尽くす、、

 延々と、そのなかにあいた様子を見ている、

 私は大人しいのか、、

 一言も発さない、

 なに、自身の秘密のなかに、

 まっすぐに這って、入ってゆく姿の、

 なに、あなたはまだ秘密に触れている訳ではない、

 ただ物と物が、さわがしい光線の中にあたっているだけだ、、

 

 あなたは起きているのに、

 ただ夢の合間にぼんやりとして、起きているだけだ、、

 私は何か尋常でない騒ぎから、

 幾らか外にいて、、

 幾らかそこで当たり前の響きを受ける、、

 ここはただの愉快な世界ではないかもしれない、

 そのときまた静かに現れるものとして、

 私は在った、、

 私はその隙間にただほうと置かれてあったのだ、、

 

 なに、揺れる、なに、揺れる、、

 私は響きのあいだに生まれて、

 しばらく点滅を繰り返していました、

 私はそこへ当たる、、

 いくついくつもの身体の印を持ってそこに当たる、、

 この香のなかできいていたのはなんでしょう、、

 私は、小さく含まれて、

 このなかで点滅していました、、

 

 今、私に触れたのは、

 どこかで、呼吸の只中を通ったものとものなのかも分からないが、、

 そのあいだで生きていたら、

 私は、ここに呼吸を移して、

 静かに映るのだろうと思います、

 なにだ、火照る身体から、

 のびた陽がまた生まれて、、

 私はそのものの回転のなかに居ました、

 

 どうも、あなたがそういう、

 良いイメージで、話にのぼらされている私というものを提出してくれても、

 私にはそれを上手く現実として掴まえる術がありません、

 私はただ風の秒点になれる場所だけを探しているという気がします、、

 私は、離れて、

 今来の瞬間に混ざっていると、、

 そこは、巨大な工場であり、

 だだひろい草のはらであり、、

 船の通う海辺であるのです、

 どうも私はそういう、、

 身体が尽きて、各々が、粒になり、

 はらはらと揺らぎ、

 独自の音を立ててとけてしまうものが好きです、、

 上手く紛れたい、上手く、、

<1778>「糸の白さのなかで」

 なるほど、時刻のなかで当たり前に増してきた、、

 身体を前にして、

 なにかが身体の前に溢れながら、

 私はそのなかを探っているもののように、ここから見えた、、

 見えているだけでまた浮かび、、

 そこから生えて、

 非常な線を蓄えている、、

 長く、長く、、

 したら身体の中に増えて、、

 ものども、また走る、また走る、、

 私はさわがしくなり、

 ここに当たる、ここに当たる、、

 今ここに居てはひとつの筋ができ、、

 次から次へ当たるのだ、、

 そこで、晴れた、

 身体が晴れた、、

 もの遠い向こうから時刻がまるくなって、、

 ここへ通る、

 あたしはその結びを作り、

 そこまで通る、、

 たれか、たれか、はげしくないもの、、

 順に順に生まれて、過ぎているものは、

 ここに集まり、、

 ただ浮いている身体のなかを通る、、

 それからそれから、、

 あなたが微細にわたって、

 

 そこだ、そこをくぐりぬけたままだ、、

 私はそこを当たり前に抜けたままだ、

 どうしてものかずのなか、、

 あたしが膨れ、、

 よろめいてそこを来るのでしょう、、

 私が印をつける、、

 印をつけられた頭はどこから回転して、、

 あたしは膨れ、、

 身体のなかによく通る物事と糸の、、

 次々に流れて、、

 あ、今肌のなかにそのさいの響きが来ました、、

 私は何も知らないけれども、

 今肌のなかにその響きが来て、、

 幾重につらなるものかずを見たのです、、

 嬉しそうに跳ねていました、

 呼吸をして、嬉しそうでした、

 集合した人々から声が上がり、、

 私は、少し不在になっている、

 かたまりのなかであまりにも静かに生きている、、

 その方向の白さが見えて、、

 あたしはそのなかで声を立てます、、

 あ、あ、どこから、

 あ、遠くから運ばれて、、

 私が二重になって呼吸をするときに、

 しかし裸の、

 当たり前の出来事の恥じらいが、

 そこへ続き、

 そこから上手く剥がれてくるのだという気がしていました、

 私はその上に、

 上手く浮いて、溢れてくるのだという気がしていました、、

<1777>「歩行線の放心」

 表面にただあなたのその表情が、

 浮かんで、流れて、、

 私は静かな歩行線になりそこに刻まれる、、

 たん、たん、

 独話するもの、

 独話から簡単に漏れて、この方を目指す人、、

 私は、そのなかの響きをきいて、

 私のところまで来ていた、、

 身体から剥がれて、ひとつの風景へ、、

 はっきりとあらわれていた、、

 匂い、私は突然に、

 ある方向をおもいいだす、

 私はこの空気のなかでいつまでも混ぜられていた、、

 ここはなにか響きをなす場所に違いがない、、

 どこまでも長く失いながら、、

 なにかを探るべくここに身体を置いて出るに違いがない、

 もの、もの、、

 そこのなかを大仰に探れ、、

 私の葉、

 葉のあらわれ、

 見逃してはまた過ぎるものにしかと合図を寄越すのでしたが、

 そのいちいちに、

 さてははっきりとした声音でもって触れているのですね、、

 私の低い方の響き、

 それは今もここに巻きます、

 

 気がついたところからよくぞそこまで簡単に回転して、

 また肌を持つところまで来ましたね、、

 私は幾度も幾度もその方向を見ていましたが、、

 これだけのものが埋もれているということを知らない、

 そのままの身振りで当たり前に出てきたのでした、、

 なにだなにだろう、

 驚くにはあたらないものがここで呼吸を極端に静かにして、、

 私のなかを渡っています、、

 私はその響きのなかに入っていくのを確かめ得た、、

 こんな放心した時刻で、

 あれは、かこ、踊って、、

 いつだいつだ私を見つけて、

 さらにさらに広い、

 さわがしい形のなか、、

 私はどこからどこまで巻いているのか、、

 さだかには分からないながら、

 その、膜の中を通っていきます、、

 漸次、触れて増えてくるのですね、、

 葉はあたりまえに流れを持ち、、

 次々に静止する、、

 呼吸が徐々に下へ溜まる、、

 あなたもその一端を任されて、、

 揺れに揺れていく営為の、

 中心線を任されていると言えるのでしょうか、、

 私は、肌を合わせ、、

 そのなかに、どうしたって紛れているのを感じていました、

 だれだろう、垂れて、、

 さわぎを内に持っておくもの、

 辿る、辿る、辿る・・・