<1776>「あれだら」

 おそらくその身体の正面にいくついくつもの層を生んで、

 平気で、そこを動く、

 そこを活動するものに、紛れて行きました、、

 私が方向という方向を確かめ、

 知られて弾いてまた深さを持つの、

 その深さを持つのだとして、、

 ははあ、時刻はここに来たわ、

 ここに来て溢れて、

 その隙間へ通る、ものを確かに知っているのだと思いました、

 そこで私は被り、、

 そこで私はただ被ったものに声を当てながら、、

 そうかこのようにして、膨らんできたものが、

 あちらでもこちらでも声をつくるということだ、

 そうだな、

 そうに違いがなかった、、

 

 なるほどここへ来て、あたしは空白だと言おうとする、、

 しかし、空白だというより、

 通路がどうしてもあるという方が、どちらかと言えば近いのではないか、、

 外に抜けてほうけあがる時間しか、

 私は知らないけれども、、

 その回転のなかざまにしか、

 私は生きてはいない訳だけれども、、

 そのはてのはて、

 私はいくつも粒を含み、

 噛んで、液が垂れ、、

 そこいらをひたす、

 ひたすままにひとりでそれを吸い込んで生きているものものよ、

 私は流れる、、

 時間のなかに入り私は流れる、、

 その透明な呼吸のさまをそのなかに確かめるようにして、

 明らかに、通じてきている、、

 なにだなにだ身体はここまで来たか、、

 指ではじけ、そのものそのもの、、

 身体をはじけ、、

 びんとのびた日に、まっすぐにのびる、、

 

 浮かんで、浮かんで、、

 その大袈裟な身振りも映える、、

 あの全体へ、浮かんでゆこう、、

 浮かんで揺らいだらそのまま、

 そのままで呼吸をあてていこうぞ、

 いこうだら、だらだら、、

 粘り気のある時刻の隅々まできっと私は通った、、

 この響きがどこまでも向かうところまで私は通った、

 それを身体で示すなど訳ないことだろうと思えた、

 生きて、通路が音を立てる、、

 私はそこを抜けるだけ、

 私はそこを、おんじょう、重なりになってすばやく駆けるだけ、

 駆けるだけの身体、、

 響くだけの裸体、

 裸体だけの響きに、いま静かに時刻をつけています、、

 あれだら、あれだら、、

 浮かんだらば、浮かんだだけの、えい、

 適量を、含んでそこにいつまでも居ます・・・

<1775>「そこで声をする」

 あたしが日の姿にかかる、、

 おいそこを、幾つとなく回転してくれよ、

 と、あり得た日のならいから、

 順に、順に、浮き上がってくるのが見えていた、、

 私はそこに身体を落として、

 そのまま回る、

 そのまま、同じ姿で回る、、

 あれこの姿はどうしたものか、

 あれこの流れは、

 地下にいたり、

 そこで順に染みてくると言えばだな、、

 分かられることも幾つかあるかしれない、、

 

 おい、声を放れ、、

 その巡りのなかへ何度も混じりながら、

 ひとつを知る、ひとつを知る、、

 あれは肌から順に知らされてくるの、、

 それは、どうなの、、

 なんです、灰を、灰を集めて、、

 またすぐに吹かれるのだけれども、

 私はそこに真っすぐに挟まり、、

 なにか長い時間をかけて、

 当たり前に揺れていくのが見える、、

 なに、その表情を知って、

 静かに面が移り始めるようにも思うのです、、

 私は広い、、

 何に対して広いのかは分からないけれども、ひろく、、

 そこにいて、、

 身体を傾けていた、、

 ほとんど軽くなりかけているところへ、、

 あなたの形象が、

 はっきりと見え隠れしている、

 それにまたひとつを分けてくれ、、

 

 あたしが時間の中にうずまって、、

 そこで声をする、

 なにとなにとなくその方向を見ていて、

 いちいち伝えている、

 その様子がどこからも見えていて、

 私は、その時刻に気づくのだった、、

 あれ、震えているに違いがないことが、

 よく分かるのではないかな、

 なんだか、呪的に、、

 私の中を響きがさして、、

 私は、ほう、ほうと出来るだけ多く、息を吐いた、、

 そこに知られている様子、

 そこに呆けて放られている様子を、

 一心になって確かめますよ、

 ここから身体が増えて、

 あたしは響きさえも増していくに違いがないけれども、、

 その響きのなかで、

 ある酔いが出てきて、、

 私を静かに握りますと、

 少しそれで驚くようなことがある、、

 ただこの日のなかで、

 慎重に驚くようなことがある、、

<1774>「紋と渦」

 あなたはそこから誘い、揺らぎ、、

 当たり前になってそれのなかへ出てきた、

 いついっかの飾りを持って、、

 そこへ、

 なんだこんなめまぐるしいものは、

 当たり前に含んで、平等でいるものだけれど、、

 私が次から次へと騒ぎのなかに湧き出てくるものだから、

 私ごとそれは回転した、

 よく見えた時間、よく映えた時間と、、

 長い揺り、、

 どこにもただ当たり前に映り、

 私は転がる、、

 

 知らないひとつの線を、

 よく見えるように照らして、、

 あれはこちらによく移るもの、

 よく騒がれて通じるものではないのか、、

 ひとがそのままの音で、

 こちらに増えて、、

 連なり、連なり、、

 あたしはその線の上で小さな泡になっていました、、

 私を知り、、

 それはそばへ流れ、

 時折巻く、、

 あなたはそこから遠い、揺れの、、

 只中にいて私を見つめる、、

 今に来て今からさわぐ、

 身体を見つめる、、

 この時刻のなかで、しきりにさわだっていながら、、

 また晴れた様子の、

 なかほどまで来て、

 それぞれに仕草を放り、、

 それぞれは泡立つ、

 紋様の中の姿に、、

 私は居ました、、

 

 肌から巻かれながら響きを知るもの、、

 そこで遠く遠く、、

 あたしの方へ手を伸ばして見えるもの、

 をいちいちに掴まえて、

 はなって、そこで一様に転げていなさいと、

 言えるもの言えるもの、、

 私はその只中でほうけて、、

 ちょうど中間でとけて、

 見事に転がって行くのだと思えました、、

 かち割れて、

 その液の中にあるものひとつで過ぎろ、、

 ようけようけ転げながら、、

 私の方向に落ちろ、、

 それとただ声を回転させてここに結ぶのです、、

 大層に結ぶのですから、、

 どこか、葉の、、身体の匂いに、近付いて、、

 次第にそれは眠り、

 私は少しの息を、

 身体に通して、ぽ、ぽ、と、熱されていました・・・

<1773>「線の底の泡」

 あるかなきかの身体にそこで静かに入っていく人の様子を、

 ただほうけて見ていました、、

 私はそのままそのなかで泳ぎ、、

 はてのなかへ連なる、、

 連なるままでまた次々に生まれ、揉まれて、、

 一の温度らしきところへ、

 また僅かな振りでこぼれてきたのでした、、

 私は、なかを窺い、、

 その速さで回転する出来事を、

 次々に眺め、

 次々に呆けながら過ごしたのだと思われます、、

 

 線の底から、

 無時間の、あなたの痕跡が見えてきて、、

 また呼吸をあらたにすることにしました、

 それにしろ、真っすぐのびてきたな、、

 これからどこへこぼれるかなど分からないけれども、、

 揺るぐだけの線があって、、

 私は満足とか不満足に言及するときいつも何かの部分が足りないのを感じています、、

 なぜ私が満足したり、不満足だったりしなければならないのかと、

 その身体は海に浮いていました、

 その身体はいつまでも海に浮いていました、、

 やがてそれを見つめる人、、

 無言で駆け出す人、

 私にはこれと同じものがあるといって黙って立っている人も居た、

 私はそこから煙が多くなって、、

 まったく見えないなかで、何処かに向かうのだ、、

 今どこの、

 今一体どこの、時間に現れて、、

 私は、繰っているのだろうか、、

 

 生きていたり生きていたりすることをうっかり忘れて、、

 私はただ泡になって浮かんでいるだけだという気がしたのでした、

 そこではまた時間を失って、、

 呼吸がひとつになります、

 なんだなんだ、私自らがひとつになって、

 ここで息し、、

 複数の膜を通って鐘の音に到達するのを見る、、

 今私が順当に増えて揺るぐ、、

 その方向がきこえる、、

 あたしのなかできこえて、、

 全く当たり前にある場所で、当たり前に風を受けた、

 私はそこに合わせるのだから、、

 なにだ、もの遠い音に生きた人が、

 今ここで繋がったままで、、

 どれ、どれ、私は呼吸を覆う、、

 そこから当たり前に見えている人が私のなかを探り、、

 はげしい表情で居たこと、、

 どこをどこを通る、

 身体を知ってから揺り通る人、

 その群れのなかに泡になってはじけて、、

 ひとつひとつの線を生もうよ、

 活動体の晴々しさ、、

 そうして歓喜、、いんや、はしゃぐのではない、、

 徐々に徐々に染みてくるのだと言った方が良い、

<1772>「いない人が垂れた」

 あたしが当たり前にそこを駆けてしまう、、

 テンポも、何も、、

 はっきりとは知られないままで、そこに、出てくる訳ですが、、

 誰の、誰の、

 何処に紛るの、、

 その明らかな肌からの道行き、、

 それがどこから知られてくるか、、

 一体どんな温度がそこにある、

 そこにあった肌はどのように知らされて次々に来る、

 静かに指が入り、

 壊れてしまわないかしら、、

 こんな頼りないものを持って、

 ここにひとつの印を立ててゆく、、

 

 私はそこで回転したものに、

 ひとつずつ挨拶をしていく、、

 なにだ、距離的に近いだけで、、

 私はまったく知らないものばかりを持っている、、

 いない人ばかりを持っている、

 浮き立ち始めた身体の、その中心点に立って、

 ひそかに呼吸をする、、

 諸々全てとしか言いようのないものがここへ混ざるのだと思います、

 変わる跡のなかに入るのだと思います、

 と、ひとつ、私にきこえた、、

 私にきこえたらばそれははっきりとした姿でまわる、、

 めぐるものがいくついくつここにあると、、

 私は探りながら、流れ出た、、

 どこからも液が垂れる、

 現実の出来事だという気もあまりしない、、

 ここからは垂れるもの皆即座に生まれるのだ、

 生まれて、吸った、、

 あたしはまだまだ吸っている、、

 この回転のなかに含まれて、

 そこで、声を出す予定が立っている、、

 

 今に振動してきたあなたの、

 過去の疲労が、

 私のなかに流れて、、

 私は時折長い時間をかけて浮き上がる、、

 浮き上がった先の花、

 浮き上がった先の液、、

 あたしがそばにきこえて、

 身体をかためてそこに立っていましたよ、、

 すると、どうだろう、、

 あなたの過去の響かせ方からなにから、、

 まったく身体に知らされて、、

 私は垂れているよりほか、しょうがない、、

 どうどうとして、

 そこに垂れているよりほか、、

 なあ、身体を探そう、

 私は知らないうちにはしゃいではまた、無風にかえったりを、繰り返してここに流れるのかもしれませんね、、

 また垂れて、静かに生まれ、

 じっと身を固めたまま、、

 内側から次第々々にとけて、またかたまるまでの経過のを・・・

<1771>「身体は粒のなかに呼吸を当てて」

 そこへ当たるのだ、身体のすぐに変わり、、

 あるいは全方向を、当然に、通り、、

 私は、そのなかで生きている、

 あ、それを投げてくれるな、、

 身体に今にそれを浮かばせてくれるなという、

 調子がここへいくらも続いてくるよ、

 どうだ、どうだ、

 その響きはここまで流れてきてどうだ、、

 あたしは諸方向からすばやく流れてきて、、

 ここで呼吸の在り処を問うに過ぎない、

 だらだと生まれてきて、、

 気息が聞こえる、

 

 明らかな回転の、明らかにめくれるさまに、

 私は移って、、

 なだれるなだれるなだれる、、

 これはあなたの響き以上になって、

 なだれるなだれる、

 描線が終いにここまで濃くなってくると、私は、、

 そこに呼吸の一揃え、、

 そこに揺れの顕現する、、

 私は身体を覆った、

 長い時間に来て、長い様子で、、

 そこにいちばん立てて居る、、

 私が無数の容器であり得るから、

 そのものを、、

 あたりまえに受けて容れている、、

 となりとなり、、

 さ、そうしたら身体を唱えて、、

 忘自、忘方向、

 揺れて揺れて、、

 あたしは膜のなかで全く白くなりました、、

 呼吸が揺るがされるこの場所で、

 段々に白く、、

 段々にぼやぼやとしてきました、、

 

 私がどうも長い時間に手を掛けてそこで浮かんでいるということ、、

 続く続く、

 そこに晴れて礎の重みが見える、、

 生涯で重なってきたことは途方もない、

 あたしは、粒に当って、、

 ここで目を伏せ、呼吸をあらたにする、、

 私はそのなかを光線になって進み、

 それぞれが照り、それぞれが聞こえる、、

 私は泣いていた、、

 光線のなかで無数の粒が泡立って泣いていた、、

 それから生まれて、、

 投げ出された場所にいつまでもいて風を受ける、、

 日常に戻るとはなにだろう、、

 私は、多くの繰り返しを含んでいる、、

 多くの、知っているリズムの上に、

 私はまた現実を含んでいる、

 含まれた新しい線に、順に身体が入り、

 うたいを感得してゆくこと、、

 あなたあなた、順に、、

<1770>「劫初に手を置いて」

 身体の狭間にその呼吸のもとが来たのかどうか、、

 ほら見なさい、だらだ‐だらだとあなたの身体の中を走るものがそこでいくつも、、

 回転し、回転し、生きる、、

 劫初に手を置いて、

 そこからどうか静かに泡立つものの一端として、、

 だんだんかたまる、

 だんだん隆起する、、

 身体がそこからあなたのなかに溜まり出して、、

 私は静かなサインを打ち出し、、

 はっきりと振動するにいたった、

 おい、そこからよく覗いてくれ、、

 初めに置いた手から次々に、草が、

 花が、、

 放題に、放題にひらがってくるのさ、

 なあそうだろう、、

 

 私は劫初を掘る、、

 おそろしい静けさのなかでその跡に手を付ける、、

 見事にひらいたのだな、流れの、、

 私は、巡る、、

 静かに探るもののなかを、また重なり、また重なり、、

 私はそこに入っていく、、

 今そこから見えるものに意識を限定付けてくれるな、、

 私はそこからまた手で奥に入る、、

 さあ、さあ、ここだ‐だだ‐ここだのだ、

 さあ潜れ、なに、

 呼吸のもと、

 あたしもあなたも、この風景のなかを迅速に渡ってきたものと思われます、、

 そこから過ぎる、、

 いずれの方向からとてもとても湧き出して触る、、

 なに‐そこ‐いずれの、身体のもたせかたに、

 私は文字と呼吸を読み取る、、

 汲める、汲める、、下からもひそめていたが息がするから、

 はいる、はいる、、

 その刺激にかなう手のひら、、

 

 無限の連なりに参加しているだけですから、、

 あたしは表面に居る、、んいや?

 どうだか、どうだか、、

 時間がないところで手は劫初まで戻る、、

 私はただ浮いて、、

 そこから来る水の中に自然と浸かっているだけなのです、

 そこから来る手のひらに、

 当たり前に乗っかっているだけなのです、、

 それはちょうどここへ来て、

 私の頬へさわる、、

 私の次へさわったままで振動している、、

 それが響くと私はまた眠り、また覚め、、

 また無限に身体に連なっていく、、

 その結び目、、

 いくつもに折り畳まれた線の中で、、

 私は静かに踊り出す、、

 私は静かにまとい出す、、

 よく分かれてきたものから順に、順に、また含まれて・・・