<1779>「風の秒点」

 あたしはそこに、長い、身体を置いて、

 延々と、立ち尽くす、、

 延々と、そのなかにあいた様子を見ている、

 私は大人しいのか、、

 一言も発さない、

 なに、自身の秘密のなかに、

 まっすぐに這って、入ってゆく姿の、

 なに、あなたはまだ秘密に触れている訳ではない、

 ただ物と物が、さわがしい光線の中にあたっているだけだ、、

 

 あなたは起きているのに、

 ただ夢の合間にぼんやりとして、起きているだけだ、、

 私は何か尋常でない騒ぎから、

 幾らか外にいて、、

 幾らかそこで当たり前の響きを受ける、、

 ここはただの愉快な世界ではないかもしれない、

 そのときまた静かに現れるものとして、

 私は在った、、

 私はその隙間にただほうと置かれてあったのだ、、

 

 なに、揺れる、なに、揺れる、、

 私は響きのあいだに生まれて、

 しばらく点滅を繰り返していました、

 私はそこへ当たる、、

 いくついくつもの身体の印を持ってそこに当たる、、

 この香のなかできいていたのはなんでしょう、、

 私は、小さく含まれて、

 このなかで点滅していました、、

 

 今、私に触れたのは、

 どこかで、呼吸の只中を通ったものとものなのかも分からないが、、

 そのあいだで生きていたら、

 私は、ここに呼吸を移して、

 静かに映るのだろうと思います、

 なにだ、火照る身体から、

 のびた陽がまた生まれて、、

 私はそのものの回転のなかに居ました、

 

 どうも、あなたがそういう、

 良いイメージで、話にのぼらされている私というものを提出してくれても、

 私にはそれを上手く現実として掴まえる術がありません、

 私はただ風の秒点になれる場所だけを探しているという気がします、、

 私は、離れて、

 今来の瞬間に混ざっていると、、

 そこは、巨大な工場であり、

 だだひろい草のはらであり、、

 船の通う海辺であるのです、

 どうも私はそういう、、

 身体が尽きて、各々が、粒になり、

 はらはらと揺らぎ、

 独自の音を立ててとけてしまうものが好きです、、

 上手く紛れたい、上手く、、