<2970>「生が深まること、死に向かっていること」

 生活環境が、

 気分に密接にかかわるということ、

 だから私は掃除をする、

 だから人間は掃除をする、

 きれいにする、

 それはよく分かる、

 一方で、

 環境があれていようがそんなことはどうでもいい、

 というか、

 荒れたいなら荒れたらいい、

 私だって放っておくから、

 という気分もあり、

 だから私は掃除をしない、

 人間は、

 ゴミの山を作ってしまう、、

 私はゴミ屋敷には居ないが、、

 ああいう状態を、

 まったく私には無縁のものと、

 考えて安心することもできない、、

 

 日々、

 刻々と生を深めていること、

 日々、

 死に始めているということ、、

 生が深まることと、

 死ぬことに近づくことは、

 多分時間の方向が同じなだけで、

 同じ物事ではない、

 矛盾している、、

 その矛盾したものが、

 同時に進んでいるところに困難がある、

 どういう困難か、

 生が深まるだけなら、、

 なにも、立ち止まらず、、

 ただ日々を励めばいい、

 死ぬことに向かっているだけなら、

 なにも、生の充実など顧みず、

 ただ終わりに向かって歩けばいい、、

 

 私は時々、

 日常にこの矛盾がふっと顔を出す瞬間に会い、、

 驚き、、

 ここはきれいになることを求める場所か、

 きたなくなることを求める場所か、、

 上手く掴めず、、

 きれいでも、

 きたなくもないその中間地点にたたずみ、、

 ゆっくりと身体が減るのを感じる、、

 いけないいけない、

 水を、

 何かまとまりのある物を食べなければ、、

 あたしはまた回転し始める、、

 なぜ、という、、

 水滴の立てる言葉をききながら、

 回転し、回転し、、

 回転したい・・・