<2966>「皮膚ばかり知る、声の中の無限の悲しみ」

 人間は、

 皮膚ばかりを、

 知っている生き物です、、

 あたしは、

 当たり前の、

 何も起こらない1日に対して、

 おい、現実さん、

 お前はあまりにも静かだな、

 どういうつもりで、、

 あなたはこんなに静かなんだ、

 と声掛けしますね、、

 でも、

 あたしはそこで何か、

 疑問に思う訳ではありません、

 ただ静かだなと、

 ひとり思うだけです、、

 

 あまりに静かに、

 もう随分前に、

 思い描いていた場所に到達している、

 それに驚いている、

 そんなことを、

 人に上手く説明することはできません、

 こればかりは同じ身体を生きていないとね、

 どうにもしょうがない、、

 環境と、

 一緒に生きているのが我々ですから、

 全体的に、

 くらく、

 重たい空気であるというのを、

 感じることがある、、

 そこではしゃいでもだめですね、、

 そこでゆっくり動きができてくる、

 からだがひらいてくる、、

 ねえ、

 お水ちょうだい、、

 私は、

 無言でかたまってしまった、

 ねえ、

 だれかが布団で寝ている、

 それは、

 何か衝撃を受ける類の、

 出来事であるかもしれないね、、

 

 もっと奥に、

 雨と一緒に忘れてしまったものを、

 ゆっくりと引き出してくる、、

 私は、

 そのぐらいはてまで、

 ゆっくりと到達してしまったのを、、

 ひそかに感じている、、

 あなたのからだだけが、

 心の中に、浮いた状態、、

 ねえ、ねえと、

 連続して重なる、

 声の中の無限の悲しみ・・・