<2954>「帰るの、興味だよ、いいの」

 もう帰るの?

 うん、そうだよ、、

 まだ身体も出来ていないのに、

 どこへ、

 どこへかは分からないよ、、

 でも、、

 まだしずかに、

 道が見える限りは、

 あたしは帰る、

 帰り直すよ、、

 

 私はすごく暗い場所から出てきた、

 それは、

 私だけではないということ、、

 それと、

 この感じを共有しうるのは、

 私だけであるということ、

 人間として、同じ空間に居、、

 訳も分からないまま、すれ違い、

 そして別れるということ、、

 良いことばかりでもなく、

 悪いこと、いや、、

 本当にそんなに悪いことが、

 私に起きたりしたろうか、、

 私は生命の一歩から、、

 灰と、埃しか舞わないところまで、

 しずかに移動を続ける、

 そういった存在の、

 ひとつでありたいと思っている、、

 

 ねえ、

 興味、

 ただの興味だけで、

 その扉が重たそうだから、

 あけてみたいという興味だけで、

 あなたはあけようとしているね、、

 その、

 閉じたり開いたりする、

 所作は、

 後ろに地獄を含むという、

 自覚から来るものかもしれないよ、、

 うっかりあけてしまって、、

 その情念の、

 重さみたいなものが、いっぺんに来ること、、

 その覚悟があるのだったら、

 あけようとしてみなさい、、

 大概の人は気がついて、

 引き返しているんだ、、

 引き返さないのだったら、

 あなたはまた別の人の、

 別の地獄へ辿り着く可能性があるのだよ、、

 あたしはそこをとてもおそれている、、

 とてもおそれている場所は、

 本当に探りたい場所でもある、、

 何がひかえているか、

 本当に知りたいところもある・・・