<2775>「あなたの声のなかの私は何者なのか」

 からだがまだ小さく、、

 私は水とその残りに分解され、、

 またほどかれる、

 あとですてられる、、

 あとでその時空に保存され、

 舐め取られる、、

 ものがただ落ちていく、、

 落ちたところに埋もれ、、

 あなたの身体なども集まって、

 ひそかに出ろ、、

 ひそかに流れ込んでしまえ、、

 わたしは幾度も振り向き、、

 あなたの声のなかにはいる、、

 

 あなたの声のなかで水と私は一、

 一のものは少し泡立ち、、

 泡立ちのなかで、、

 音がいくつか回転する、、

 あなたは生まれそう?

 どうだろう、、

 わたしはしずかな泡からはいだしてきた、、

 からだからすべてしみだしてきた、、

 あたしは、

 おそれから、泣いていた、、

 人々が、ゆがんでいた、、

 重たい、、

 低くひびくような場所に出て、

 あたしは、

 重たい、、

 風に黙って、

 あるいは二人であたっている時間だけが、

 静かな時間であった、、

 私が何者であって、

 何者でないのか、、

 人々と出会うときほど、

 それが鮮明になるときはない、、

 私は順番に声をきいていた、、

 どうしても通じない、

 膜のような存在が、

 意識されるのもそのころのこと、、

 あたしはすべてに向けて、、

 あたしを放ったというつもりはない、

 しかしあたしの沈黙の、

 異物感はそれなりのものだろう、という、

 反省の目が出るようになった、、

 

 なにかがからだのなかでさわぎし、、

 そんなことはないかのように穏やかになり、

 私は、存在の一点を見つめて、

 向こう側へ、

 たしかに、

 ずるずると滑り込もうとしている、、

 あなたの熱のありかた、、

 あたしは膨らみ、

 からだのなかにあらわれる、、

 冷静に声をして・・・