<2945>「あたしからだ、ぽたぽたたれた、あなたからだしよう」

 あらわれるまだこころのなかにからだとともに、

 あらわれること自体が、

 私を芯から目覚めさせてゆく、、

 私は、

 わずかなしらせから、

 あなたの存在の表面に出て、

 ことばをなげてゆく、、

 からだの表面、、

 あなたがうつり、、

 私はたえず流れていく、、

 まだ身体も見えない、、

 出来たばかりの時刻から、、

 私はふえてふるえてゆく、、

 

 あなただのにしらず、、

 あなたは声を発す、、

 存在の平面に向けて、

 あなたの音声はひらく、、

 皆ばらばらになり、

 あなたの音を受ける、、

 あなたからだしよう、、

 まず生まれよう、、

 しかしこころなしか全体がべとべとする、

 泣き叫ぶ、

 生まれたことをしらない、

 そんなはずがあるか、

 あたしは沸騰する、、

 あたしは影、かたちのなくなるまで、

 からだを泣いて、

 泣いて裂こうとする、、

 あなたは裂かないと生まれない、、

 そう告げられたら音声が、、

 あなたの耳と、

 私の腹とを通過して、

 からだがふるえる、、

 からだがちがうものになろうとする、

 予感を、、

 ひたすらに生きていく、、

 ひたすらに水を集めていく、、

 あたしは袋になる、

 袋が内側で、

 独自の生命を持ち出している、、

 

 あたしからだ、、

 あたしぽたぽたたれた、、

 ながれて、、

 あとでかわいてしまい、

 匂いもなくなり、、

 人の、

 呼吸のなかに、

 記憶にもならないものを、

 そっと残すために、

 移動する、、

 私そのなかへ移っていく、、

 そのなかでしゃべっていく、、

 そのなかでふけっていく・・・