<2930>「風の時代」

 肉体の充実を嫌うのか、、

 私は歩くともなく歩いている、、

 からだから搾り出される、

 あなた、

 内界の水、、

 あなた、

 内界の水から、そっくり出てしまう、、

 そっくりころげて、

 からだから、

 しびれでて、

 しびれでた先の私、、

 私から胚胎する肌、

 過去からよそへ、

 よそから、、

 またしらない境界を歌う私、、

 

 からだからふたてに分かれて、

 水を言う私、

 風と言う私、

 あたしは肌からなにから、

 あなたに渡してしまう、

 あなたに任してしまう、、

 うん、、

 かんれんのないように、

 見留められるひとつひとつの出来事の、

 なかで生まれる日々、、

 私は水のなかに、

 そっくり集まって、、

 そっくり踊る、

 しらずしらずのうちに、

 あなたの現象の浮きになる、

 あなたを待っている、、

 風は、

 あなたを待っている、、

 無言のなかに、

 ひとつの小さな粒を渡して、、

 

 私は、

 あなたがいるとき、

 同じ場所が、

 違う空間に感じられて、、

 それにほころぶものがあり、

 太陽も、少し優しく、、

 私から出る空気も、

 普段より少しあたたかく、、

 眠ってしまえそうだった、

 ここで眠ってしまえることは、

 幸せそうだった、、

 あたしは時日の上に、、

 軽い呼吸を置いて、

 もう少しあたりまえに、

 あたりまえの存在になれた、

 存在にさせた、

 あなたに挨拶にきた、、

 あなたと緑との、

 無言の時間・・・