<2805>「やわらかく私を拭くな、座りなさい、拭いてくれ」

 あたしは疑いをおく、、

 あたりまえじゃないか、

 これはただ、生きているというだけのものだ、、

 死んだらどうなるか、

 そんなことはしらない、、

 だいいち、

 知ってないといけないことなら、、

 初めに分かるはずである、、

 初めに泣いているのは、

 悲しみでも、

 喜びの表現でもない、、

 からだばかりが、

 外へ外へ膨らもうと、しているだけ、、

 まだ液が垂れている、、

 

 だれだお前は、

 やわらかく私を拭くなよ、、

 周りのものは音が大き過ぎる、、

 お前が持っているその、肺は、

 生の声帯は、

 喉は、

 唇は、

 なにものだ、、

 なにがそこに住んでいる、、

 わたしまだそれ、持ってない、

 いいえ、

 全部持ってるんです、

 あたし、

 こんな人じゃない、

 人じゃない、、

 いいえ、人です、、

 あなたは存在を混ぜて、、

 ここに渦の音を立てる、、

 はての、人です、、

 あなたが内界にいて、

 ここを無だと思うときにも、

 液は、

 次から次から湧いてます、、

 あなたの姿を確かめて、

 ものを、少しずつ、、

 渡しています、、

 さあ見てください、、

 あなたの身体のなか、

 なにもかもありますか、

 そうだ、

 あたしには肺がある、、

 

 これらの声や物、

 ころげるだけころげろ、

 いいな、、

 あたしは液ではないんだ、

 だから全て拭いてくれ、、

 なにが起きているか分からない、

 変化がこわい、、

 そんなことでごまかすのが可能な場所はとうに過ぎたぞ、、

 お前は一瞬だけ調子に乗っていろ、

 そしてすぐ道に戻してやる、座りなさい・・・