<2927>「土地と風と私と記憶」

 僅かな身体の振動数から、、

 ここに、

 生まれては溶けてしまう、

 ひとつの感慨をはかる、、

 あたしは、その、

 ひとつひとつのものの重さを見ている、、

 からだのなかで見ている、、

 からだには、

 あなたのフォームが映り、、

 私には、

 静かな回転の時刻が映る、、

 わたしは構えている、

 時間に向けて、

 何に向けて、、

 ひとつの時刻が、

 私に対する、

 構えを出してくる、、

 

 私はそんなヒのなかざまで、、

 しずかに垂れたあと、、

 ここで私が過ごすことを、

 いちいち確かめている、、

 からだに歴史を残すため、

 あたしは、

 先頭に立つという気概ではない、、

 ここから、、

 新しく波を打ちつづけ、

 この響きがどこにでも届くよう、、

 あたしは何かを恨んでいるだろうか、

 あたしは何かを許せていないのだろうか、

 どうもそうではないような気がする、

 あたしは自分の時刻に出ただけだ、、

 軽々と、

 この風に乗り、

 そういえば、なぜ、しばらく、

 しらない土地で、

 風に流されたくなるのか、

 それはその土地と、私と、

 記憶とを、

 束の間一体化させるための、

 私の手順です、

 私の方法です、、

 子どものとき、

 なぜそうするのかも分からず身につけた、

 私の挨拶の在り方なのです、

 

 長いこと この場所で、

 過ごさせてもらった、

 ひとつの旅人のように、、

 私は、

 何かにつかれでもしたように、

 ひたすらに歩いている、

 歩いて、

 歩いている、、

 からだにはいつも風が来てくれる、、

 あたしが生きるように・・・