<2924>「細胞のはじめ、挨拶したい」

 何だ、彼は、

 用意されたことがない、

 不思議な、

 真白な天井のもとで、

 生まれて、、

 私は、

 まだこのようなものを、

 見たことも、

 きいたこともない、、

 それを、記憶として、

 膜に、

 ひとつひとつ憶え込ませ、

 染み込ませ、でいくんだな、

 私は、

 そういう世界に来た、、

 

 そういう世界が、

 まるで夢のようだというのは

 なかば当たり前で、

 私には、この陽気も、、

 この、

 生まれた声がところどころから響く空間も、

 私が、生きて、、

 使い尽くしてほしい、、

 私を、

 搾って、

 搾りきってほしい、

 と思っているものたちの声も、

 一緒に、

 この場に混ざっていくことに、、

 いくらか、

 困惑しながら、

 私は、

 細胞のはじめに、

 あなたから教わった、

 こわいということや、

 さびしいということを、、

 そっくり、

 呑み込んでしまうんだ、、

 それはなくならないものだけど、

 そっくり、

 私になってしまうんだ、

 と言っていた、、

 

 この感嘆の初め、、

 あたしが生きているということのはじめ、、

 無限に線がのびていて、

 緑に風が、

 渡り続けているということのはじめ、、 

 そういう、、

 静かに時間を掛け、

 刻まれてきたものたちに、、

 私は続けて、

 挨拶をしたい、、

 挨拶をしたくて、

 この場所に出てきている・・・