<2923>「はじめてあなたの声をきいた」

 かたい殻の中で、

 自然に育ったものたち、

 方々の裂け目から、

 自然に水が落ちていくこと、、

 あたしがそのしたたりにひたり、

 徐々に、

 声の温度を高めてゆくこと、、

 筋肉の、

 ひとつひとつをゆるめてゆくこと、、

 はじめてあなたの声をきいた、

 はじめてあなたが出来てきた、、

 そこにはじまり、

 そこから浮いてくる、、

 あなたの声の姿が、、

 私にはよく見えた、、

 

 私から身体は生まれ、、

 身体から水が去り、

 水が点景に挨拶をし、

 挨拶は花を咲かせる、、

 こんな天気に、

 あたしは見事に生まれきって、

 あたしは見事に育つ、、

 あたしは見事に到達する、

 こんな感情が生まれでて、、

 私は人を好きになっていた、、

 時間をかけてとけていたものが、、

 今ここにひとつの水のたまりとなって、

 あらわれているということなのだろうか、、

 私は、

 しらない時刻から、、

 かんたんにからだが出てきて、、

 その剥がれのひとつひとつが発する、

 熱気を、

 からだに受けていた、、

 からだから発するまま、

 私が受けていた、

 過去の顔たちが、、

 からだする、

 涙をする、、

 あたしのしっている時刻に、

 しずかに顔を出す、、

 あなたは剥がれている、、

 

 あなたは私の言葉たち、、

 言葉たちはしずかな波の面、、

 波の面に寝そべる、、

 あたしと、、

 気がついたら生まれ、、

 方々でほろほろとこぼれる生まれたち、、

 生まれたち集まる、、

 あたしはひとつの名前をする、、

 からだからさらになって、

 ひとつが、、

 もののすがたのなかにあつまって、、

 またからだをする・・・