<2913>「泥の様な場所/人生合図」

 内管が、

 しずかな、

 しかし確かな力で、絞られた、、

 あたしは、

 この人の、先の見通せない、

 穴のようなものの、

 内側を見つめる時間が、

 しばらく続く、、

 ねえ、

 眠らせようとしているの、、

 あいだ、

 奥の、奥へ、

 あなたも入って、、

 私は、

 複数の汗をかいている、、

 また、

 生まれるときの、

 入口に立っている気がする、、

 

 私は時間を揺さぶり、、

 その場所を、

 真っ暗な、穴の中を、

 かきまぜ、

 泡立てていた、、

 随分と簡単な作りじゃないか、、

 汗が少しひいていく、、

 しかし、

 目を合わせてはならない、、

 これはどこまでも泥の様な場所だ、

 と、

 ひとりの眼球が告げている、、

 私は汗を流す、、

 これは私が望んだことだろうか、、

 いや、

 今は、

 そういったあわい自体を、、

 欲望とだけ名指すのが、

 無理になってきている、、

 形成されるもの、

 私は、私で、形成されるもの、、

 ひとつの水滴が、

 私の命と同じ色をしているという確信、、

 またそうした妄想に、

 こうした日差しの強さがよく似合うという偶然、、

 私は水を吐いていた、、

 

 からだを、、

 徹底して吐こうとしても、、

 あなたは、

 少しずつ強さを大きくするだけだ、、

 あきれるほど、

 こわれてしまいそうなそのビルドに、、

 あたしは、、

 無感と、

 少しの塩分で迎える、、

 ああ、

 このからだから漏れるものに、

 またあなたの人生合図がある・・・