アップリンク吉祥寺にて。
見てきました。
例によって本編に関わることを書くので、これから見る方はお気を付けください。
10代の、それこそ、
「魂が本当にひとつになっている」
ような時期から、20代、お互いの仕事とか生活とかの背景が変わってきて、あのとき魂がひとつになっていた頃の二人を再現しようとしても、もうそれは無理になっていて。
そして、それからお互いに試練を越えて、大分大人になって、二人とも穏やかになってきたな、そうそう大人になるってこういうことだよな、と、現在の自分と重ね合わせながら見ていた。
が、二人はそういう形で、良い大人として、お互いがお互いを尊重し、穏やかに関係を築いていくようなエンディングは迎えなかった。
親友でありながら、全く違った個性を持っていた二人は、終盤になってお互いに奇妙に似通ってくる。
ミソはハウンのように。ハウンはミソのように。
10代のころ、二人でひとつの魂を作っていた。
それは、その後の各々の成長の過程で、分離し、違いを認め、お互いに自立するはずだった。
でも、二人は、段々本当に、一人の人間のようになってくる。
別々に存在することなど不可能だと言わんばかりに。
その帰結として、私にはそれがおそろしいほど自然なことに思えたのだが、ハウンが死んでしまう。
皆が違う顔をしているのは、皆が別々の生を生きるためなの。
ハウンの母は言う。
同じ生を生きようとし始めれば、
魂を本当にひとつにしようと思えば、
どちらかの肉体が、消えるところまで、行かなければならない。
この映画は、バッドエンドだったのだろうか、ハッピーエンドだったのだろうか。
私にはその判断が今のところできない。
魂がかつてひとつであって、それによって生きてきたこと。
ひとつである状態を守りきれなかったのを、本当にまたひとつにするために生きようとしたこと。
それは、人生の、成功や、失敗という枠組みを超えている。