<2907>「『ソウルメイト』」

 アップリンク吉祥寺にて。

klockworx-asia.com

 

 見てきました。

 

 例によって本編に関わることを書くので、これから見る方はお気を付けください。

 

 

 

 

 

 

 

 10代の、それこそ、

「魂が本当にひとつになっている」

ような時期から、20代、お互いの仕事とか生活とかの背景が変わってきて、あのとき魂がひとつになっていた頃の二人を再現しようとしても、もうそれは無理になっていて。

 

 そして、それからお互いに試練を越えて、大分大人になって、二人とも穏やかになってきたな、そうそう大人になるってこういうことだよな、と、現在の自分と重ね合わせながら見ていた。

 

 が、二人はそういう形で、良い大人として、お互いがお互いを尊重し、穏やかに関係を築いていくようなエンディングは迎えなかった。

 

 親友でありながら、全く違った個性を持っていた二人は、終盤になってお互いに奇妙に似通ってくる。

 ミソはハウンのように。ハウンはミソのように。

 

 10代のころ、二人でひとつの魂を作っていた。

 それは、その後の各々の成長の過程で、分離し、違いを認め、お互いに自立するはずだった。

 

 でも、二人は、段々本当に、一人の人間のようになってくる。

 

 別々に存在することなど不可能だと言わんばかりに。

 

 その帰結として、私にはそれがおそろしいほど自然なことに思えたのだが、ハウンが死んでしまう。

 

 皆が違う顔をしているのは、皆が別々の生を生きるためなの。

 ハウンの母は言う。

 

 同じ生を生きようとし始めれば、

 魂を本当にひとつにしようと思えば、

 どちらかの肉体が、消えるところまで、行かなければならない。

 

 

 この映画は、バッドエンドだったのだろうか、ハッピーエンドだったのだろうか。

 私にはその判断が今のところできない。

 

 魂がかつてひとつであって、それによって生きてきたこと。

 ひとつである状態を守りきれなかったのを、本当にまたひとつにするために生きようとしたこと。

 

 それは、人生の、成功や、失敗という枠組みを超えている。