ひとつの悲しい方法から、
あなたは立ち直ったのではない、、
あなたは、
複数の時間を持ち、
それらが、
よく見えてきたというのだ、、
あなたのその声のなかに、
住んでいるものはなに、、
あなたの正面に、
次々に生まれているものはなに、、
ひとつのさわぎをなして、
からだばかり育ち、、
上手く呼吸する、
あなたの複数時間の、、
そのさなかへ、
まっすぐに戻っていく、、
まっすぐに身体が語ってくれる、、
正面に、
あなたの声が立って、
壁にぶつかる、
粒が、
泡立ってゆく、、
泡から世界、
世界をみること、、
まったく白くやかれた肌が、
フィルムになり、
あたしの層を少しずつ形作る、、
あたしは呼吸がその、
幾量枚のフィルムを通過し、、
今、
声に住んでいるものの身体のいくらかを、
確かめ得たのです、、
水も少しください、、
あたしが記憶を招んでいるとき、、
水はしずかに底の方へおりていく、、
今も知らない、
ひとつのはなやかさになって、
水の下へおりていく、、
あなたの粘性、
あなたの声の態度、、
あなたは、
からだからはじめた、
このいくつもの語らいを、、
包み込む、、
景色は、いまや、、
しずかな液となり、
十分に、
秒の私のなかへ浸透したあと、、
きれいに姿を消してしまった、、
あとに残された私は、
少しさびしい、、
あなたは思い出している、、
少しまだ、新しかったこと、、
からだを、なかへ挟んで・・・