<2890>「声は衝迫するよ」

 なあ、

 お前は語っていたな、、

 こんなに自由に流れて、

 こんなに自由に生まれて、、

 なあ、

 私の身体は止まらないよ、

 私はな、

 どこかに向かっている訳ではないな、、

 からだが止まらないよ、、

 風がいくつも吹くな、

 いくつもいくつも吹くな、、

 あたしが肌に生まれたことを、

 しらせるように、

 時間が変わっても、

 また会えるようにさ、、

 

 この場にひとつの実として、

 立って、、

 風や土埃に、紛れて、、

 あなた、

 ひとつの声のなかにいくつ、

 いくつの表情を読む、

 いくつの情感を知る、、

 あなたが同じ状態ではないこと、

 そのことにおいて、

 平等であること、、

 私は、

 種を吐いて、、

 地面に伏して、

 そこで、

 生まれるまでの、声のひとつひとつを、、

 きいていること、

 きいてたしかめていること、、

 ねえ、、

 これは、

 ただ好きということだけじゃないな、

 どう生きたらいい、、

 私は、

 私はどう生きたらいいという、、

 ひとつの衝迫なんだ、、

 来るよ、来る、、

 私はこのあたりまえの空気のながれのなか、

 あなたをしょって、

 来るよ、、

 

 全部身体は見えているんだ、

 声も届くよ、、

 あたしは心臓からしか生まれたくない、、

 あたしは声を噛むよ、

 随分とこのいくつものことや、

 ながれを、

 含むよ、、

 ありがとう、、

 私がまだ長いことが、

 しずかな空気と、緑の色の風に混ぜてもらえることが、

 良い、

 良いよ・・・