<2886>「人間が少しずつやわらかい」

 存在しているものの、

 外側に張る、

 薄い膜の氷が、

 少しずつ溶けて、

 液も止み、、

 あたしは少しずつ身体がやわらかくなる、、

 あなたに対して、、

 身体を、

 少しだけ見せやすくなる、、

 人間が、

 存在して過ごしている、、

 そのことに、

 私は安心して、

 今がどこなのか、

 一瞬分からなくなるほどの、

 深い眠りにつく、、

 

 新しく、

 旧知の関係にも、

 また新しく、

 距離が設けられて、、

 うん、

 ひとつひとつを、繋いできて、、

 しかし風景や、

 物事が、

 ひとつひとつ混乱する、、

 あたしはもののからだのなか、

 ひといきでふれえた、、

 そういえば、

 あまりに激しくぶつかっていたことや、

 それを経て、

 まあ、

 全てが良いとはならないけれど、、

 お互いさまに、なっていく時間とか、

 私もおんなじ、

 歳を取った人間になって、、

 分からないなかを、

 進まなければならなかったその困難が、

 少しずつ見えるようになって、

 こんな変化を、

 わざわざ伝えることはないかな、

 喋り方が分からないし、

 少し恥ずかしい、、

 

 ああそうか、、

 ともかくも、

 ここまできたよな、というところで、、

 私はだって、

 褒められると、リアクションが薄くなるじゃないか、

 そういうのはいい、

 私もあなたも、

 また会えたな、ということで、

 それでいいじゃないか、、

 それでいくらか、

 うれしいということじゃないか、、

 あなたには身体があるまま・・・