<2884>「根本問題に、ぶつからなければ」

 また同じことを繰り返すだけだよ、

 人に愛されて、評価されて、

 そうして肌を違和感が襲って、

 その場から逃げ出したくなって、

 全部その、

 愛されることも、評価されることも、

 捨てて他のところへ行ってしまう、

 そういうことを、

 また繰り返すだけだよ、

 あなたの存在の核の、

 その、急ブレーキのかかる場所、

 そこにある、

 根本問題と向き合わなければ、

 あなたは、

 あなたは・・・

 

 だって、

 生きるしかないじゃないか、

 私は、

 私が間違っていた、、

 全部私のせいだ、

 私が悪いんだ、

 と言い続けてきた人の背中を見て育った、

 そこで、

 私が幼いながらに決めたことは、

 私は間違わないようにしよう、

 身体を張って

 これは間違いだったと、

 教えてくれる人が、身近にいるのだから、

 私は間違わないようにしよう、

 と思って生きることで、

 そして実際そう生きてきたのだった、

 

 そして、

 私は正しかったかもしれない、

 ただ、その正しさは

 生きないということを交換条件として、成り立たせてきただけのものだった、、

 だから、私には、

 私は存在しないという妄想が必要だった、

 生きないために、

 間違わないために、

 だから、

 愛されることは、

 存在しないという妄想が、

 一番劇的に破られる仕方だから、

 私はおそれているのだ、

 いや、おそれていた、、

 というのは、

 私は、

 人間は、

 何が正解かを事前に知ることができないことが、多くあり、

 ときには間違えざるを得ず、

 それでもまた、反省したあとでさえ、また、

 正解がなんなのかが分からない場所へ、出て行き、

 何かを決めなければならない、

 そういう存在だと、

 身体をもって知りはじめたからだ、

 私は間違えたいと言えば嘘になる、ただ、

 生きることにどうしても含まれる間違いと、少しずつ付き合えるようになってきた・・・