<2104>「静かにものになる」

 また片側から静かに声がする、、

 あなたは細くひらいて、

 この道に応答する、、

 あたしは畳む、

 なにか方向をきき、

 わたしは畳む、、

 この時間はどこにある、、

 わたしは探るだけだけれど、

 そのものを見て、

 陽気に声を掛ける、、

 身体は応え、

 また日にちへと帰る、

 

 過ぎてきたものを見つめ、、

 それはどこだという、

 あれ、

 今から今へ渡り、

 様子を見つめ、、

 私は、

 そのなかで 育ったのだと知り、、

 遠い気持ちになる、

 どこからほうけているのか、

 まったく分からないまま、、

 あなたはここに出て来て、

 今やそこで時刻を回す、、

 それぞれの装いが、

 上手くあなたのなかに見えていて、、

 あなたは走る、、

 走るその軌跡のなかにいくらかいて、、

 あなたは応える、

 私はここに巻かれていた訳ではない、

 数々の印から、

 このなかを知る訳ではない、、

 膨らんだ時刻から、

 次々にここへ来、、

 朝が滑るところへ、

 ひとりで来ている、、

 

 わたしはおそれていた、

 おそれているのなら、そのなかにもっと入りなさい、

 私は恐怖したまま、、

 そのなかに入る、

 なかに入ってみると、どうということはないのだけれど、

 私はここで生きていたのだときき、

 思わず、どうやって、と こたえてしまう、、

 はあ、このなかに、

 流れて、

 なるほどね、、

 私はものを確かめた、、

 また静かにものになる、

 腹を探り、、

 そこに熱を集中させ、、

 私はまた複数になって生まれる、、

 複数になって駆け出す、

 はっきり見えているあなたの、、

 行方が重なって・・・