<2878>「液体のはじめ、羽の生誕」

 あなたがまだこの液体のはじめ、

 あたしが進んで、

 なかに進んで、、

 ただ一にも二にも、

 それを含んでいるとき、、

 あなたの目の光が変わり、、

 私は記憶を数える、、

 あたしはまだ宇宙の端にいて、

 ただの時刻を数えるだけ、、

 順番に、

 回転しながら、、

 あなたはそばにあらわれてくるだけ、

 

 私は見ている、、

 しずかな回転の隙間を、、

 あたしは見ている、

 ゆっくりと見ているまま、、

 あなたはこの地上に招ばれた、、

 私ははりついて、

 板も、呼吸もない、、

 このヒのことをゆっくりと確かめる、、

 どこからさらわれるか、

 分かったものではないまま、

 わたしはこのつちのなかにあらわれてしまう、

 じょうぜつか、

 これはじょうぜつなのか、、

 私はただ液体が垂れているだけのように思う、、

 しずかなはじまり、、

 しずかな興奮線のなかで、、

 私は生まれてくる、、

 ものを、

 一度二度と、

 かぞえてみる人がいて、、

 あたしもその視線を、

 少しずつもらっている、、

 あたしがはだのしたに、

 からだを混ぜていて、、

 もう見ているものも、なにも、

 はっきりとは掴めない、、

 

 ものが足りないのではない、、

 あたしはここで爆発したいのでもない、、

 からだ粘っていけ、、

 あなたの声の粘性をたよりに、

 あたしふくらんでいけと、

 しずかに声をかけている、、

 あたしはまだこの時刻に、

 生まれたばかりの姿で住んで、、

 それを、

 静かに包みはじめた、、

 包みはじめたものは、、

 安心して、液が、

 私になるまでを、

 待っていたのだ、、

 むかえよう、、

 私は羽になろうとした・・・