<2861>「生まれたはずの場所へ、少しずつ溶けてゆく」

 お前は間違いだと思っているのか、

 間違いだとされていることに、

 身体を合わせているのか、、

 模倣していく、

 あたしはただの空間になってゆく、、

 複数の肌、

 複数の眠り、、

 あなたは、

 溶けることを夢見、

 溶けることなどないということを承知して、

 ここに出てくる、、

 ここに新しく出てくる、、

 ただいたずらに、

 知られたばかりのところへ出てきて、、

 身体を、

 適当に動かす、、

 

 あなたは、存在の核を、、

 外にすっかりうつしてしまう、、

 これでいいのか、、

 あたしにはしかしこの室だけに、

 黙って引っ込んでいる姿も想像できない、、

 黙って浮いているものも、

 私には分からない、、

 すでに感じられ、

 完成したものから、、

 流れだすうんだにおいや、、

 それをかいでまたうみはじめるひと、、

 それぞれに、、

 わたしの印を渡して、、

 いまかいまかとはじまるのを待ち構える人、、

 心配をなさるな、

 いずれそこに着く、、

 そこに着くということは、

 案外こわいものですね、、

 わたしは呼吸を深くする、、

 奥が、

 びりびりと鳴っている、、

 私の四方に、

 この勢いのまま、散りながら、、

 たずねていく、、

 まだ分からないな、、

 訳も分からずに アく場所、、

 あなたを見留めて、、

 しずかに裂ける場所、、

 

 裂けたところから、、

 いくつもの水の線が出てきて、、

 私は眠くなる、、

 この、、

 うまれを含んだくらいひくい香りも、、

 また私の中に畳まれる、、

 はて、、

 存在がはじまったところから、、

 存在がかえってきて、

 あなたも遠そうだ・・・