<2860>「幼時‐現在時の血の流れ」

 あなたにはまだ知らない水が流れているはずよ、

 そう音声は言う、、

 あたしあなたのこどものころのことだもの、

 なにが、、

 ここへ入って、、

 しずかに湧いたままでいるの、、

 だれ、、

 あたしがしずかなのが どうしてか分かる、、

 私には分からないな、、

 あたしにも分からない、

 外から来たの、、

 いや、

 どこから来たというのでもないけれど、、

 あなたは幼いとき、

 重要な決定をなしたわ、、

 

 私は、日を、、

 しずかに作っていくこの手のことを考える、、

 呼吸も、しずかになっている、

 いたずらに、さわがなくなっている、、

 心臓がきこえる、、

 私には身体の幅がある、、

 それは、

 遠い呼吸時となり、

 あなたを招んでいる、、

 あなたは踊り出る、、

 不確定のものへ、、

 しずかに自身を混ぜるように生まれ、、

 また、

 存在しないという欲望をたずさえ、

 現場にかかわり、

 手を動かしているうちに、、

 私は姿になり、

 声がきこえ、、

 匂いが生まれ、、

 一番存在を確定させるものを、

 驚愕の眼で見つめ、

 駆け出してきた、、

 そういう存在としてある、、

 

 あたしが日々に生まれたのはそういうことだった、、

 からだなどなにも、、

 うつろになっていなくても、、

 血が、ものすごい勢いで流れ、、

 あたしはしばらくじっとしていなければならなかった、、

 あア、

 あたしの水、、

 はやくはやくからだに混ぜて、、

 ねえ、

 まだ、まだ、もっと、と、、

 声を継ぐ声を継ぐあなたは先に出る、、

 先に流れる、、

 暗いホールに、、

 あなたの存在ごと、まともに届いてしまう、、

 その視線はなに、

 その視線は、どこ・・・