<2845>「複雑になった管、溜まる熱」

 あなたはただからだのそばにいるだけ、

 私の方から探り、、

 私はしずかにかたまっているだけ、、

 ごらん、

 この水も流れてどこかに消える、、

 私が見ていると、

 私も消えて、、

 ここに映っているもの、

 まで、ただ、

 どこか底のところへしまわれる、、

 あたしはその表面を剥ぐ、、

 どこからも、どこからも、

 複雑に折り畳まれたものが、

 次から、次から出てくる、、

 

 さあ空気にふれて挨拶してくれ、、

 あたしには方向などないのだけど、、

 声を掛けられる、

 あたしは内部へ回転する、

 視線を向けられる、

 あたしは無感で吸収する、、

 こころ、こころ、、

 あたしは太い層、

 より、その、

 幹に近い部分で、

 しずかに声をひく、、

 あれ一切、、

 あなたが徐々に輪を描き、

 外側に広がっていく、、

 あたしは荷をほどき、、

 からだから自由にする、、

 からだはただ、

 水を受け容れる管として、

 いくつもの時間を待っている、、

 この内時の皮膚の変化、、

 あたしは労働し、

 労働するのも忘れて、、

 しずかに水のなかへ沈もうとする、、

 あたしはただの管であった現在を、

 からだのなかに見出そうとする、、

 ひとりの女の人が過ぎる、、

 あたしは管を複雑にしてしまった、、

 エネルギイをいくつもたくわえてしまった、、

 

 あたしは複雑になった管に、

 もろもろのものが溜まり、

 熱を持ち、

 どこかへ出ようと、、

 構えている人たちの、

 その無表情の気迫に圧される、、

 時間から外へ、

 からだから外へ、

 水から外へ、

 外へ、外へのつぶやきが、、

 からだにたまり、、

 あたしは吐くようにしてからだを波打たせる・・・