<2842>「それが、お前が生まれようとする際の言葉だ」

 映像が四方に飛ぶ、、

 あたしは窪みにいて、、

 ただ、

 これらを生み出し受信する、、

 ひとつの皮の中の運動に、

 ぴったりとくっついていた、、

 具体的な、

 骨組みを作る仕事がまた、

 皮膚の外にあり、、

 あたしは水を浴び、、

 内と外との、

 連絡係をつとめる、

 その水に、

 しずかな温度を向けている、、

 

 ねえ、裂ける、、

 裂ける裂ける、

 水が落ちていく、

 落ちていく落ちていく、

 どんどん落ちていく、、

 あたしの、暗の、

 根の辺りに、

 黙って立っている、、

 そこから何かが生まれるとは思えない、

 黙った、

 しずかな暗部に、

 そこは、水を含んでいるはずなのに、

 さわっても、

 ちっともしめらない、

 つやつやとしている、、

 機械が体操しているの?

 つめたい、

 コンクリートのような匂い、

 それからつたや葉や、

 木の匂い、、

 生きものはいない、、

 私は発声してみる、、

 すみません、

 私を発してみてくれませんか、、

 少しでもいいです、、

 

 それが、

 お前が生まれようとしているときの言葉だな、

 え、

 、、

 うっかりしていた、、

 あたしは口を滑らせたことが分かった、、

 水がだんだんふえてくる、、

 上方も、

 少しずつ明るくなってくる、、

 生きものの声が、

 少なくともふたつはする、、

 あたしは見てはいけない顔がある、

 と少しの振るえもきたさずにおもった、

 でも、

 見ない訳にはいかないと、

 これは決意とよべるのかどうか・・・