<2819>「内暗部の時間と、ふるえて空気になり出ること」

 あたしはまだ用意された肌のなかにあって、

 うっすら眠っている、、

 軽く言語を重ねて、、

 今の舞台へ降りる、

 あたしは何度も演技してみせるだろう、

 容れ物は、

 カラではない、

 その外枠があれば十分だ、立派だ、、

 あたしは液体の、

 私の皮膚の裏について、、

 しばらく時を過ごすのを、、

 黙って見つめている、、

 あなた、、

 もう少しあたたまって、

 空気になりなさい、

 空気になって、

 私の道を作りなさい、、

 水はうなずいた、

 

 あたし言語の中にも外にもなく、、

 これはのびる光線なの、

 光の束を、

 あなたしずかにほどかないで、、

 そのまま、、

 電熱を受けて、、

 あれからだほぐし、、

 まだしらないのね、、

 あたしなかで転び、

 探るような目、、

 どこから入るのかしら、、

 なんで、

 なんでこの人は穴しかないのかしら、、

 あたしは、

 この人のなかに来たって、

 どこにも着かないのじゃないかしら、、

 そうして、

 そっと流れる、、

 あたしがこんなことで血を流すとでも思う?

 ながさない、

 涙だって、、

 あたしは、

 うん、

 私はそういった人の、

 目の、

 はげしい憎しみや、

 拒否の力を見ていた、、

 

 それは私という人間が生んだことだ、

 私は含んでいこう、、

 これは重みになる、、

 どこに飛んでいくか分からない人間の、

 ひとつの重みになる、、

 私はあの、

 家族がたまって、

 暗い時を一緒に作っている映像を、

 はやく振り落としたいもののように感じた、

 その線の先に生まれた人間だ・・・