<2811>「その時私には水がない」

 こんな具体的なものが、

 1日を経過していくことは本当に、

 何でもないことに思える、、

 しかしその、

 何でもないことそれ自体に、

 ふっとつかまるときがある、

 そのとき私は宙を見つめ、、

 徐々に呼吸をするだけになる、、

 私は、とくに、

 生きているとかどうとか、

 そんなことをわざわざ持ち出す必要はないように思った、、

 そうではなくて私は具体的に動いている、

 いろいろな場所が繋がれて、、

 私は具体的に動いている、、

 

 私はとくに興味がないように思われた、、

 私は没頭しているように思われた、

 ほうけているように思われた、、

 風が少し長く、、

 もう帰らないかのように、、

 一瞬、

 ここが永遠の場所になって、

 一歩も動かれないと、

 強く感じることがある、、

 本当は、

 そんなこともないのだが、、

 あの挟まる、

 一瞬の時間はなんだったろう、、

 私は、

 線を様々に組み合わせてみている、、

 感動し、

 感動することにも慣れ、

 この場で、

 普通の人間になって、、

 ゆっくりだまりこむ、、

 あたしは音を発していない、、

 ただながさがあり、

 うすい沈黙があり、、

 訳が分からないまま経過してしまった出来事があった、、

 

 ひとつの川の流れに乗って、

 周囲のものを眺め、、

 ふたたびまた手の先へ、

 意識のほとんどが集まってくる、、

 ああ、

 なにか私には、

 この水もない、、

 この接触する、

 たしかな木の板と、

 指先が、

 私に水がないと言っている、

 私は水がない、、

 だれに対して、、

 だれに対しての、なにの訴えだろう、、

 少しも飲まないのに、

 一体だれに対しての・・・