<2810>「これがまだ始まりに向けての歩みであるということ」

 しずかにその場所、

 その水へ、かえろうとしている、、

 あたしはただもう、、

 この膜が剥がれて、、

 からだのあいだの、、

 さわぎが全て、出ていくのを、、

 黙って見ている、、

 あたしは、、

 畳まないものも畳んだ、、

 こんなに次々と流れて、

 その先はどうなのだ、、

 私は、

 ひとつ先へ膨らみ、、

 あなたの言葉のなかを見ている、、

 

 なにもないと感じる場所へ出ること、

 それは、

 土台が変わっただけなのだ、

 踏まえるものが、

 少し増えただけなのだ、、

 それであなたはここにいるのだろう、、

 私はそうだろうと思っている、、

 あなたがひとつ畳み込まれて、、

 そのなかは、

 空になったのではなく、

 時間がなくなったのだ、、

 時間がなくなったものに、

 どこから行くのか知らないが、

 まっすぐ手が線がのびる、、

 ふまえたな、、

 ふまえたからどうだというんだ、、

 しかしここは時間のない場所、、

 時間のない、

 さまざまな断片を抱え、

 時間のなかを生きてゆく、、

 私は渡っている、、

 渡っていいものであるかどうか、

 それはしらない、、

 ねえ、

 声だって複数あって良いでしょう、、

 そんなことは私はしらない、

 もっと知っていてもいいでしょう、

 たしかに、もっと知っていてもいい、、

 

 ねえ、

 これがまだ始まりに向けての歩みだということ、

 なにかの以前であるということ、

 どう、

 しかしまあ、

 それはそうだわね、と思わないでもないね、、

 なあ、

 ものすごい角度で、

 上昇する夢を見る馬鹿者や、怪物になろうよ、、

 どんどんと折り畳んで、、

 焦ってはいけないけれどもね、、

 私は裸でもないけれどもね・・・