<2793>「語りを逸らせ」

 しかしあなた、、

 あたしはそこでかわききり、、

 誰の手にも触れやすい、

 奥で、

 水の気配だけがする、、

 あたしはそのかわいた壁、そのひとつの面に、、

 近づいて、、

 ずっと奥の、

 その語りをきいている、、

 あなた不可解かな、

 いんや、どこにでもある、、

 どこにでも、ころがっている、、

 からだなど、はじまったばかりだのに、、

 あなたはここらへんを見て、、

 しずかに転がってきている、、

 

 私はあなたを手にするでしょう、、

 何も思わないまま、、

 現実の、成分が、、

 あなたに流れていくでしょう、、

 私にはこれがどこの時刻かが分からない、、

 私にはこれがどのざわめきなのかが、、

 私はいつ冷えるの、、

 ねえ、

 これが欲望だとして、

 あたしはどこを、満足させているのだろう、、

 徐々に、

 徐々に徐々に、はてへ、

 しらない場所へ逸れてゆく、、

 あたしは、

 あらゆるものを内化して、、

 そのことについて無意識になる、、

 なので、

 興味がないのではない、、

 もうからだと同じだということ、、

 あなたの病がなければ、

 ここまで来れなかった、ということ、、

 二人で、

 物語を作ろうとする意思から、

 どこまでも遠いこと、、

 この人は誰なんだろう、、

 と、

 ひとりで思い始めたら、

 とどまるところをしらないこと、、

 

 あなたは何の印象もなかった、、

 私は全体で、、

 意味の探れない、、

 あの鐘の音に身体がなろうとしていた、、

 あのひろがりに、

 そっくり身が移ると、、

 あなたは横にいても、

 私には辿れなくなる、、

 ねえあなた、

 これはどこの響き、、

 得体の知れないものを、ひきずって・・・