<2780>「毒物を組み込むということ」

 しずかに距離を調整する私を、

 何と言うこともできません、、

 あたしはそれぞれへ向けて、

 ほどけていきます、、

 執念などないと、

 普段の身体の平穏さから、

 簡単に思ってしまいます、、

 しかし、

 日常が不意に揺らげば、、

 歯を壊さんばかりに噛みしめ、、

 こんなところで倒れている場合ではないと、

 起動する何かがあるのです、、

 生きていくことの核にあるものに、

 驚かされます、、

 

 私は、

 訳が分からないことすら取り込んでいくと言いました、

 すると、

 本当にそうするんですね、、

 これが、

 毒物でなくてなにでしょうか、、

 自分を悪く言うのではありません、、

 毒をなかにいれこむということが、

 段々実感として分かってきたのです、

 しかし別段嬉しくもありません、

 そういう場所へ来たな、と、

 私は確認するだけです、、

 なにか貢献するようなことを、と、

 考えているようで、、

 次の瞬間には、

 空間に上手く溶け出て、

 一体となることを考えている、、

 私はあまり旅をしません、

 しかしどうしようもなくなると、

 旅に出たくなります、、

 何かを見たいのでも、

 何かをききたいのでも、ないかもしれません、

 ただ、しらない場所に、

 からだがあればいいのかもしれません、、

 

 それは、

 見抜かれていても、

 見抜かれていなくても、、

 どちらでもあまり変わりはありませんが、、

 絶対に、

 肝心要のところには誰も容れないという、

 ひとつの持ってきた病を、、

 見る人はどうなるのでしょう、、

 私は、

 どこにもいない人として自己を規定したい、

 しかし悲しいかな、

 具体物なので、、

 よく居るところにはよく居るものとして、出来上がってしまうのです、

 そうすると、

 そんな場所を混ぜたくなる、、

 どこか他のところへすっと流れたくなるのです・・・