<2666>「幼児期の層を聞き」

 身体が非常に短い時間に流れて、

 私はいまや、

 その中身を確かめえるところまで行く、、

 どうだ、

 このなかのなまえの、

 そのあなたの意味の、

 場所がはたして分かるだろうか、、

 うん、

 道もなにもなくなる、、

 あなたは皮膚の下に埋もれ、

 より内部にいる、、

 私が順に案内されてきた道、、

 自分を掴まえるという話、、

 私は現実でないかのように今やほうけているのではない、

 中の線へ潜ったのだ、、

 

 そこではひとつずつの泡、

 泡束が出来、、

 かたまり、かたまりが、

 異常な熱を帯びてくる、、

 あ、

 あたりまえにこの物音のなかへ、

 しずかに入る、、

 しずかに身体に渡すとき、

 あなたが中に入る、、

 ものを見ているとき、

 夢とは何も関係がない、

 私はただ、材料を集めている、、

 情報収集の目がこちらを見ている、、

 私は計算している、、

 打刻する音が止まなくなっている、、

 先へ先へ入る、、

 あ、

 あなたの皮膚のなかへ触れたもの、、

 なかで騒々しい音を立てる、

 あたしは幼児期の層をきく、

 これは古層か、、

 あたしの水が通う、、

 古層は沈黙し、

 その動揺の記憶の、

 あとかただけをしずかに、

 こちらへ手渡す、、

 すでにそのメッセージは私の中、、

 私は水を見、吐いた、、

 世界に通うため、

 すばやく、呼吸を、二、三回通す、、

 

 あなたが見ているもののなかに、

 あなたの層の反映、、

 しかも複数枚の層の反映を見る、、

 光の中にもまた、記憶が住んでいる、

 私は過去へ渡る、、

 吸う、、

 そして、今は渡ることもなく、、

 ここに過去ともども示し、、

 穏やかでいる・・・