<2665>「外膜に付く埃、通路を築く埃」

 知らない記憶の向こうに、

 あたしが手を触れそうで、触れない、、

 そこで、、

 もう少し、持っているもののなかから、

 静かに、静かに、水を足すように、

 知らないもののなかへ、

 通路を作るように、、

 私は私の中にも少し、水を含み、、

 双方から浸透可能となるよう、

 ここで、動き、

 静かに吐いた、、

 その水の流れを追った、、

 

 私は含んでいたものの、

 あたたかいのに、、

 無感でいて、

 こぼれたことに対しても、、

 あまり、驚きようがない、、

 しかし、その水、、

 手で触れえる水と、

 そこのつちのあたたかさとで、

 段々と、

 その場所を理解し始めた、、

 うん、

 私は、妙に落ち着いていた、、

 人と、人の、

 どう混じったらよいか、

 分からない時間に長く、

 さらされてきたためであろうか、、

 その人の内部へ、

 さらに内部へ、、

 入っていく仕事に、、

 文字だけでなく、

 手掛かりを得たからだろうか、、

 

 あなたにしかきこえていない音の、、

 その外膜の、

 また外膜へ、、

 ひとつの埃のように、

 静かに身体を寄せ、、

 振動音や、リズムや、、

 ためらい、

 強弱などによって、、

 あなたに似た何物か、

 本物ではない、

 しかし、どこかよく似た通路へ出る、、

 その、

 あなたと私との二本の線は、

 微妙に異なっている、、

 私は、

 あなたはそれを見比べる、、

 互いに微笑む、、

 なにかが違うということが幸福的におかしい、、

 私はこれは通路だと、

 似姿を作ってみることは、

 交流の始まりだと思った・・・