<2650>「光の仕事を頼りに」

 ふいに私の立っている場所が真白に見えた、、

 あなたは当たり前の流れから、

 随分遠いところに来たな、、

 うん、

 それもそうだ、しかし、

 何もかもを犠牲にし、と言われると、、

 それはどうも違うのです、

 と言いたくなる、、

 私はそれらに何の現実感もない、、

 だから捨てたのではなく、

 持つということにリアリティがないのです、

 と言いたくなる、、

 

 別々の過去は、

 私のなかで、どう折り畳まっているのだろう、、

 私はその過去のそれぞれに、

 長い息を通す、、

 あの駅前に、

 遊びに行った回数は、

 一体どのくらいになるのだろう、、

 数えていたらおもしろかったろうか、

 しかしそれは今思うことだ、、

 同じ場所に行き、

 なにかをここに置いてきたのだ、

 と感じる人間は、

 実際に何を置いてきたのでしょう、、

 様々なものが附着するまえの身体でしょうか、、

 しかし附着物の多彩な身体は不満ではない、、

 あなたは元気ですね、、

 あたしはこんなに元気で、、

 力の限り、

 駆け回りたいという、小学生のような衝動を覚える、、

 なにか、過去、

 上手く操れていなかったものが、、

 少しずつ上手く扱えるようになること、

 喜びとしてはそれで十分だ、という気がする、、

 

 私は演技的に明るく振舞ったり、

 おどけたりということを、

 随分やめてきたな、と思う、

 それは、

 あたしのなかにある、、

 人もあたしも肌の粟立つ部分と、

 静かに付き合うことが、出来始めたから、、

 あまりおどけてごまかしている必要もないのですから、、

 あたしはだから日常生活の中へ入り、

 ひとつひとつの声の散らばりを、

 この、

 さしはさまる真白の光を頼りに、ここに、

 どんどんと集めています、、

 光はその仕事を果たすと、、

 次々に私の姿のなかへと回収されていきます、、

 裏側の、

 管の集まりがよく見えて、、

 私は、機関だ、、

 そこで活動してみようと思う・・・