<2649>「水が内世界を知り、ゆがんで皮膚の外へ滲み出る」

 遠くを見ている人間、、

 不気味さを、

 内側に折り畳んで、、

 こいつは、

 異物と考えるより、、

 どうしようもないだろうな、と、、

 周りの人間が、考えたであろうこと、

 なにの異物だと、

 面白がってさわっていた人たちも、

 次第に手をどけなければな、と、、

 考え始めたであろう、一個の人間、

 

 人間がいた、

 こんなところに、、

 あたしはほうけることによって、

 生を、

 内側に畳んでいた、、

 声が、

 どうなと響け、と言っている様子、

 恐怖したのではないですか、、

 こいつにふれているべきでないと、

 思ったのではないですか、

 という、、

 ゆらいのない、

 ひとつの妄想が、、

 そこここからここに、集まる、、

 あたしは声を畳んでいる、、

 内世界の低音、

 それがどこか奥深くまで、

 直接に響くとは、思わない、

 内世界の光景、、

 あたしは、、

 なぜ、どうして、という視線に、

 人間を超え出たような、笑みと、、

 軽さで、、

 自分を表現することを、好んでいた、、

 それらは、

 余裕でありはしない、

 私は、汗を、

 それも大量の冷や汗を、

 それらで覆ってしまおうと、したのだった、、

 周りの人は興醒めした、、

 私が、

 ひとりでおそれていただけで、

 その汗こそ、

 人々が、

 冷静に、見たかったものなのかも、しれない、、

 

 あたしは原に出る、、

 汗のひとつひとつをかわかしている、、

 あたしに苦い記憶など、ひとつもないように、、

 水を取り入れる、、

 苦いものなど、ひとつも背負っていない水を、、

 しかしそれらは内世界に貼り付き、、

 皮膚の表面へ滲み出してゆくとき、、

 複雑にゆがんだ顔をしている・・・