<2601>「あなたは何処ですか」

 同じからだの人間なのに、

 わたしは、

 あなたの内部で起きていることが分かりません、

 あなたはどこまでも余裕そうですね、

 そうして、

 今にも崩壊してしまいそうな、

 さびしい線を持っていますね、、

 全体、というのは、

 いつもそうだと思います、

 一部を形容すれば、

 そうでない部分が濃く浮き上がる、

 そういう姿だと思います、

 

 あなたは困惑していますね、

 この場所にも、

 仕事にも、、

 存在の仕方にも、

 ええ、

 私はずっと困惑です、

 困惑でなかったことはないと思います、

 私には核が分かりません、

 この熱が、

 どこから来るのかも、

 あなたは雄弁ですか、

 雄弁、ではないのだと思います、、

 ただなにかのかたまりが、

 溶け出すということが、

 時々起こるのだという気がします、、

 あなたは無感動ですか、

 なにか、わたしもそう、無感動と、

 呼んでしまった方がいいぐらい、、

 ぐっと、

 視線が内側に下がって、

 なににも感応しないように、

 なることがいくらもあるのですが、、

 それを、無感動と名指すことは、

 少し難しいと感じます、

 何故でしょう、

 

 何故って、

 私はだんだんとそれに向けてひらかれてくる、

 ひとつの心の動きを感得できるからなのです、、

 ここのなかにあいた、、

 ひとつの空間に、、

 徐々に液が盛り上がり、

 私の、

 穴という穴から溢れ出すのを、

 いまかいまかと待っている、

 そんな光景に、

 出くわすからなのです、、

 あなたは興奮していますね、、

 ええ、

 興奮していますが、、

 それをここで分かつのは難しい、、

 もっとずっと、

 内的なことなんです・・・